研究概要 |
不確定さを含む状況での意思決定問題として,ポートフォリオ問題とスケジューリング問題を取り上げ,意思決定者の主観的な評価や選好を積極的に取り入れた意思決定モデルを構築することを目的に研究を進め,以下の成果が得られた. 1.ポートフォリオの定式化に関しては,専門家により与えられた重みを導入することにより,重み付きの可能性ポートフォリア選択問題を定式化し,解の解析を行った. 2.ジョブの加工終了時間に対する意思決定者の満足度を表現するため,ファジィ納期という概念を導入し,最小満足度最大問題および総満足度最大化問題を定式化した. 3.総処理時間最小化問題や最大納期遅れ最小問題などの通常のスケジューリング問題の多くが,ファジィ納期を用いて再定式化できることを明確にした. 4.加工時間が区間で与えられている場合でのフローショップ・スケジューリング問題を定式化し,遺伝的アルゴリズムを用いた解法を提案した.遺伝的アルゴリズムにより,区間目的関数の左端と右端の最小化に関する非劣解集合を得ることができる. 5.加工時間がファジィ数で与えられている場合でのフローショップ・スケジューリング問題を定式化し,拡張原理を用いて各ジョブの加工終了時間を計算する方法を示した.また,ファジィ目的関数のレベル集合に関する非劣解集合を遺伝的アルゴリズムにより求める方法を提案した.
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