研究課題/領域番号 |
06102004
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三明 康郎 筑波大学, 物理学系, 教授 (10157422)
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研究分担者 |
西村 俊二 筑波大学, 物理学系, 助手 (90272137)
栗田 和好 理化学研究所, 研究員 (90234559)
八木 浩輔 筑波大学, 副学長 (60028107)
初田 哲男 筑波大学, 物理学系, 助教授 (20192700)
佐甲 博之 筑波大学, 物理学系, 助手 (40282298)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1997
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キーワード | ビッグバン / クォーク・グルオンプラズマ / QGP / 高エネルギー原子核・原子核衝突 / 高エネルギー重イオン衝突 / 飛行時間測定器 / Directed Flow / Elliptic Flow |
研究概要 |
ビッグバン直後の宇宙は極めて高温・高密度状態にあったため、クォークとグルオンが自由に動き回れる状態、すなわちクォーク・グルオンプラズマ(QGP)状態が存在したと考えられている。物質の存在の在り方として全く未知なるQGPの研究をすることは、原子核や素粒子、初期宇宙、さらには自然認識にかかわる基本的課題である。QGP状態を実験室で作り出す唯一の方法である高エネルギー原子核・原子核衝突を用いて、(1)核子<10GeV、(2)核子あたり158GeV、(3)核子あたり100GeVの衝突型加速器における実験、において一連の測定を進めている。反応生成粒子の系統的測定による基礎的データの積み上げを行うことによってQGP生成の発見ならびにその性質の研究を目指している。主な研究成果は以下の通りである。 1)世界初のパイプライン方式の高時間分解能読み出し回路を開発した。計画通り時間分解能85ピコ秒を得、高多重度下において粒子識別に成功した。 2)製作した高時間分解能飛行時間測定器、読み出し回路をCERN・WA98実験に飛跡測定器と共に設置し、平成7〜8年度に1粒子包括測定、2粒子相関測定を行った。平成9年度までに核子あたり4GeVから160GeVの重イオン衝突についてハドロン及び光子の系統的測定を完了した。 3)荷電粒子と光子の生成量相関の測定から、Disoriented Chiral Condensate効果の出現の有無の検証を行った。カイラル対称性回復を示唆する結果は得られていない。 4)160AGeV重イオン衝突における集団運動を示す方位角相関の観測に成功した。集団運動の一つのモードであるDirected Flowは標準模型(RQMD)の約半分の強度であることが確認された。QGPの兆候である状態方程式の変化を示唆している可能性がある。他の集団運動モードであるElliptic Flow解析では、K+中間子は標準模型の反対の符号を持つことを示唆する結果となった。いずれも世界初の分析結果である。 5)高温高密度状態におけるハドロンの振る舞い、ファイ中間子等の振る舞いの変化に関する理論的研究。
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