研究概要 |
わが国の2つのコンピューター関連企業の従業員を対象として質問票調査を実施し、男性1,552名、女性262名のデータを解析した。職種は以下のように区分した:3つのコンピューター関連職種(エンジニア、技術者およびプログラマ-)およびそれ以外の6つの職種。後者のうち事務職および現業職は、さらにコンピューター関連機器の使用頻度によって3群に区分された。個々人の職業性ストレスは、10の職業性ストレス尺度によって評価された:量的荷重、役割不明確、役割葛藤、将来不明確、作業コントロール、技術の活用、上司および同僚からの社会的支援、および仕事中心傾向。男性では、コンピューターエンジニアは同技術者および事務職にくらべて有意に高い量的荷重を示した。コンピューターエンジニアは同技術者およびプログラマ-より作業コントロールが高く、また事務職より技術の活用が高かった。コンピューター技術者のコントロールは事務職より低かった。コンピューターエンジニアおよび技術者は、仕事量が多く技術の活用が高いものの、必ずしも裁量決定権(作業コントロール)の高い職種ではなかった。男性のコンピューターエンジニアおよび技術者に対する10の職業性ストレス尺度得点を用いたクラスター分析では、8クラスターが適切な区分であることが示された。職業性ストレスの特性によってこれらの高度情報化関連職種を8つに分類できる可能性が示された。これらの分類は職業ライフサイクルと関連し、また不適応群の同定に有用であることが示唆された。職業性ストレスからみた場合、事務職および現業職においてはコンピューター機器を使用した作業が全業務中に占める割合は25〜50%が最適であるように思われた。
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