年度当初計画に述べたように、本年度は過年度に引き続き、GHQ/ESS資料のデータ・ベース化作業(Contents Listを含むdiscription cardそのもののデータベース化作業)を進めた。戦後日本形成経済班内での調整により、経済班のなかで筆者が分担した部分は、冊子117(1冊平均120ページ)に達したが、予定通りデータ・ベース化を完了させることができた。 本研究の課題である当該期の金融政策・為替政策についてはは、GHQ/SCAPの管理の下で、連合国側と日本側の協同によって形成・実施されてきた。この協同は、一方でGHQ/SCAPの指揮・命令を、他方で日本側の抵抗を含むものとして進行した。連合国側とくにアメリカ本国およびGHQ/SCAPと日本側との具体的関係については、近年まで当該資料が未公開であったこともあって不明な部分が多かった。本研究では、上述のようにGHQ/ESS資料のデータ・ベース化を完了させることにより、米国側資料と日本側資料の突合せが可能となり、従来明らかではなかった貴重なファクツ・ファインデアングスを行うことができ、当該期の金融政策・為替政策の推転プロセスを体系的・総合的に把握することができるようになった。
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