研究課題/領域番号 |
06214225
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石井 幹太 明治大学, 理工学部, 助教授 (50125184)
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研究分担者 |
茅原 一之 明治大学, 理工学部, 助教授 (80111566)
宮腰 哲雄 明治大学, 理工学部, 教授 (00062018)
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キーワード | 超臨界流体 / 化学発光 / 分析装置 / うるし / ルミノール |
研究概要 |
本年度(平成6年度)はシステムの高性能化を中心に高性能漆測定用超高感度化学発光(CL)分析システムの開発を進め以下に示す成果を得た。【1】分析システムの高性能化(ポンプなど圧力系の精密制御への改良):改良制作した超臨界流体用化学発光反応解析装置によるCL測定では改良前に比べて詳細かつ高精度および高感度なCLプロフィルの入手が可能となった。また、この結果を基に漆の全分析およびその「かぶれ」現象等の解明のための超高感度分析システムが設計できた。【2】超臨界流体中での化学発光の化合物構造特性(漆の化学発光):漆の化学発光における化合物構造特性は二酸化炭素超臨界流体中では水系の場合と比べて約300倍を超える化学発光量子収率の向上に加えて、化学構造間での相対モル化学発光強度にも差異を生じた。この興味ある現象の究明については分子動力学等を駆使して溶媒構造や超臨界流体物性との関連から検討していく必要があろう。漆の化学発光のように一つの分子中に化学発光反応を複数生じる化合物を検索およびデザインすることは、類似性混合物中で検出能の小さいあるいは不能な化合物の高感度検出を可能とすることができる一つの新しいマルチタイプの化合物検出法を創生することになろう。【3】解析システムの高性能化に伴う化学発光現象に寄与する超臨界流体物性の精密解析(ルミノール系化学発光):高性能なバッチ式超臨界流体用化学発光反応解析装置の制作によって再現性など測定データを提示する場合の信頼性が増し、この結果化学発光反応と超臨界流体の溶媒構造特性の関係を分子シミュレーションや実験的分子動力学等を駆使して精度よく調べることが可能となった。分子動力学等の化学発光反応への適用によって超臨界流体中での反応分子の状態解明を介して化学発光反応の反応機構や高量子収率化の原因などが今後究明されるであろう。
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