自動記録式熱天秤と硫化腐食装置を新しく設置し、Ti-Al系金属間化合物の高温腐食、特に、硫化腐食挙動を明らかにした。さらに、窒化反応についても基礎的知見を得た。 その結果から、Ti-Al合金の硫化は2段の放物線則に従い、前半ではTiとAlの硫化物が混在する外層のみが、一方、この長時間側では、前述の外層と合金の間にTiSからなる内層が新しく形成される。この内層スケールの形成に対応して、合金表面にはTiAl_3が形成することを新しく見いだし、学会等で注目された。 窒化反応については、主に、1173K、純窒素ガス雰囲気での反応挙動を明らかにした。TiN、Ti_2AlN、AlNが層状に形成し、合金表面にはTiAl_3相が形成されることを確認した。表面酸化物が存在するときは、酸化物の欠陥から合金内部に向かってピット状の窒化反応層が形成した。 これら硫化、窒化反応はいずれも熱力学的にTi化合物が安定であることに帰因することを明らかにしている。
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