研究課題
本年度ようやく、LSCOの良質で大きな単結晶を大量に作成することができ、中性子散乱により、エネルギー・運動量の非常に広い空間の観測に成功した。実験はラザフォード・アップルトン研究所、高エネルギー物理学研究所、日本原子力研究所に設置している中性子分光器を適宜使用した。またYB_2Cu_3O_7-dのアンダードープ組成のTcが60Kの物質についても研究を行った。その結果、200meVに及ぶ高エネルギーの磁気散乱が世界で初めて観測され、磁気相互作用の強さが異常に強いこと、また、その磁気励起は通常のスピン波様の物ではなく、(ππ0)点ブロードに局在しているとがわかった。またフォノンの異常は非常に広いエネルギー領域に生じていることも明らかとなった。また特に、(000)点、(ππ0)点の付近で異常が著しいことが判明した。フォノンの以上は低エネルギー領域でのチルトフォノンに明瞭に生じていることもわかり、超伝導と構造、フォノンの関係が明らかになりつつある。
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