研究課題/領域番号 |
06216202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
熊谷 健一 北海道大学, 理学部, 教授 (70029560)
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研究分担者 |
藤原 賢二 島根大学, 理学部, 助教授 (50238630)
松田 祐司 北海道大学, 理学部, 助教授 (50199816)
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キーワード | 高温超伝導 / NMR / μ SR / 磁気秩序 / 構造相転移 |
研究概要 |
本研究では、μ SR、核磁気共鳴法(NMR、NQR)を用いてCu,La-スペクトルの共鳴周波数、線幅、磁気暖和時間等を測定することにより、La_<2-x>Sr_xCuO_4系のx=0.12付近に見られる「狭い領域で超伝導のに消失」と「極めて狭いホール濃度範囲において出現する磁気秩序状態」についての微視的起源を解明することを目的とした。 我々は、La-Sr系でx=0.115付近の狭い範囲で、La-Ba系と同様に超伝導抑制と磁気秩序状態が現れることを目的とした。しかし、この系では低温での構造転移は観測されず、一連の物質異常を構造相転移に伴うバンド分裂による電子状態密度の減少に求めるモデルでは難点があることを示唆した。この系での原子レベルでの局所的構造変化あるいは格子系のダイナミックスの変化があることをスピン相関らおよぼす効果、Cu-O面の電子状態が格子系のもたらす"disorderness"により、dスピン-軌道相互作用の変化の知見を得ることにより、強相関電子系の金属状態と高温超伝導波動関数の性格を議論した。結晶の乱雑さに起因するスピン軌道相互作用の増大は1軸性反強磁性状態を作るとの理論的考察があり、もしこの相互作用が十分大きい場合はd波超伝導を大きく抑制するので、磁気状態を明らかにすることにより、La系における超伝導波動関数の対称性を特定できる可能性が指摘されている。従って、低温構造転移あるいはフォノンのダイナミックスに異常と、μ SR実験等で示された磁気秩序とその微視的相互作用の起源を明らかにすることが重要である。
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