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1994 年度 実績報告書

ゼオライト触媒を用いたアルカンの分子状酸素による低温酸化

研究課題

研究課題/領域番号 06217204
研究機関東京大学

研究代表者

辰巳 敬  東京大学, 工学部(試), 助教授 (30101108)

キーワードゼオライト / バナジウム / アルカン / 酸化 / アルケン / 過酸化水素 / 過酸化水素
研究概要

アルカンのチタノシリケート触媒は穏和な条件でアルカンの酸化を起こすが、この場合、末端メチル基は酸化されない。そこでチタン以外の遷移金属を骨格に含んだゼオライトとしてバナジウムを含んだゼオライトVS-2(ZSM-11型)を、Si(OEt)4、VCl3を原料とし、Bu4NOHをテンプレートとして合成することができた。VS-2のホトルミネッセンススペクトルでは4配位のバナジルV=O種に基づく発光が観測された。さらに、(0-0)と(0-1)バンド遷移間のエネルギー幅は二次微分から950cm-1と求まり、IRの結果と一致した。この発光はバナジウムを含浸担持したシリカライト-2にはほとんど観察されない。また、TS-2では4配位のチタニルTi=O種に基づく発光が見られない。これらの結果から、IRスペクトルにおけるチタノシリケートの960cm-1の吸収はSi-O-defectによるもので、バナドシリケートの965cm-1の吸収はV=Oによるものと結論できる。VS-2を触媒としたヘキサンの過酸化水素による酸化反応ではd位の酸化により末端アルコールおよびアルデヒドが30%を越える選択率で生成した。溶媒としてアセトニトリルを用いることにより反応速度に向上が見られた。シリカライトにバナジウムを含浸した触媒では酸化反応はほとんど起こらず、IR、フォトルミネッセンスの結果とよい対応を示した。VS-2はアルケンのエポキシ化も起こすが、2-アルケン/1-アルケンの酸化速度の比がチタノシリケートに比べて小さく、チタノシリケートの活性酸素種に比べて親電子性が弱いことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takashi Tatsumi: "Factors determining substrate specificity in titanium silicalite catalyzed oxidations" Studies in Surface Science and Catalysis. 84. 1861-1868 (1994)

  • [文献書誌] 辰巳 敬: "ゼオライト触媒の新展開" 化学装置. 9月号. 66-69 (1994)

  • [文献書誌] Takashi Tatsumi: "Titanium Silicalites as Shape-Selective Oxidation Catalysits" Zeolites and Microporous Crystals. 1994. 417-424 (1994)

  • [文献書誌] Takashi Tatsumi: "Structural Dependence of Intra-and Intermolecular Selectivity in Oxidation with Titanium Silicalites Catalysts" Catalysis of Organic Reactions. 341-351 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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