研究概要 |
3次元射影代数多様体で、自明な標準束を持ち、高々Terminal特異点のみを持つものをCalabi-Yau多様体と呼ぶことにする。最近のmirror symmetry、conformal field theory等の研究を考慮しつつ、これらの多様体のmoduli空間の構造を明らかにすることが研究目標であった。手法としては、複素解析空間の変形理論,Hodge理論、特異点理論を用いた。得られた結果は次の通りである。Xを、Calabi-Yau多様体とする。Def(x)を、Xの倉西空間とする。この時、Def(x)は、非特異で、その次元はdim_DExt'(Ω'x,Qx)に等しい。Def(x)上の普遍族をXと書き、t∈Def(x)上のファイバーをX_tと書く。Yi={t∈Def(x)lo(X_t)=i}(ここで、σ(X_t)=Wail(X_t)/Pic(X_t)と定義する。Def(x)は,Yi(i∈Z_<20>)のdisjoint sumになるが、各Yiは、非特異なZariski局所閉部分空間になる。この事からDef(x)は、自然なstratification構造を持つことがわかる。更に、各stratum Yiは、次にの様な記述を持つ:Xは、高々有限個のsmall projective small resolution X^^<^>を持つ。X^^<^>もCalabi-Yau多様体になり、Def(X^^<^>)は、Def(x)に自然に埋め込まれる。この時Yi=U_<p(X^^<^>/x)≧i>Def(X^^<^>)-U_<p(X^^<^>/x)≧it1>Def(X^^<^>)。以上に述べたDef(x)のstratificationを用いて、Xが変形でsmoothなCalabi-Yau多様体になる為の必要十分条件を与える事ができる。その結果、Q-分解的なCalabi-Yau多様体は常にsmoothableであることがわかる。
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