研究概要 |
本年度は昨年行った高次フラーレンC_<76>およびフッ化フラーレンC_<60>F_xの軟X線吸収による研究をさらに押し進め、次のような研究を行った。 (1)高次フラーレンについては、都立大阿知波グループよりC_<90>を、また名大篠原グループよりC_<84>をご提供頂き、これらについて軟X線吸収測定を行った。これらのスペクトルはかなり大きな炭素数依存性を示し、昨年C_<60>,C_<70>,C_<76>についてのデータより結論した内殻励起子効果の小さなことを改めて確認する事ができた。 (2)フッ化フラーレンについては、C_<60>F_xの固体についてX線光電子分光測定を、また溶液について真空紫外吸収測定を行った。特に真空紫外吸収については、フッ化マグネシウム窓をもち、セル長数μmで真空保持のできる特別の吸収セルを作成して測定した。これらの結果を、これまですでに得られている軟X線吸収、紫外光電子分光の結果と併せてその電子構造を総合的に検討した。 (3)このほか金属入りフラーレンの軟X線吸収測定についての予備実験を行った。
|