研究概要 |
ドナー元素としてはRb,CsのIa族、またアクセプター元素としてはIBr,IC1及びIC1_3の混合ハロゲンをそれぞれC_<70>と共にキャピラリー付きのパイレックスガラス管製試料容器に熱交換用のヘリウムガスと共に封入し、電気炉中での反応、Moターゲットを用いてのX線回折、交流ハートショーン法を用いての磁化率測定を繰り返し行うことにより、新化合物の検出とその構造解析及び超伝導出現の有無を調べた。その結果C_<70>Rb_x,C_<70>Cs_xについては、x増加と共にfcc(x=1)→bct(x=4)→bcc(x=6)→fcc(x=9)と構造が変化する事がわかった。C_<70>K_xについてのx増加に伴う同様な構造変化は我々によって既に明らかにされているが、これとの違いはx=3の相が存在しないことであることがわかった。またIについては我々によってx=2,4の二相が存在し、いずれもbct構造をとることが既に明らかにされているが、これら混合ハロゲンについてもそれぞれ類似のド-ピング化合物をつくることがわかった。これらの各相についての超伝導探索の結果、C_<70>K_3で超伝導によるものと思われる小さな反磁性を見いだした以外は、すべての相が1.3Kまで超伝導にならないことがわかった。現在これら各相の回折線強度計算による詳しい構造決定を行っており、また20mKまで温度領域を広げての磁化率測定による超伝導探索を継続中である。さらにドナー元素としてBaなどのIIa族元素、アクセプター元素としてSe、TeなどのVIb族元素に添加物質の幅を広げて、C_<70>とのド-ピング化合物作成とその構造解析、超伝導探索を試みている。
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