平成5年度に得られた活性種発生法と炭素-炭素結合生成法の開発を踏まえ、本年度は電極との間での電子授受の容易な基質の探索と活性種の構造を検討し、より有用な官能基を明らかにしえた。次いで基質に構造化学的修飾を加え、立体選択性、配向選択性並びに位置選択性についての検討を加え、より効率的な反応へと導き、併せてキラル補助剤存在下での反応を行い、アルカロイドのツブロシンの全合成を完成した。 更に電解条件下でのハロゲン化不飽和エステルを用いる分子内Michael反応にいて、試薬を用いる化学反応、光反応、熱反応、並びに金属試薬存在下における反応と比較し、電気化学的手法の特長を引き出することに成功し、脳血管拡張作用の期待されるツブロシンの全合成を達成した。
|