研究概要 |
ヒドロホルミル化におけるRh(I)触媒はCO圧下、5配位錯体が触媒種であると考えられるので、ジエカトリアル2座配位を有利とするbite angle 〜120°の新規配位子1〜3を設計合成した。[Rh(CO)_2(acac)+ligand]のin situ 触媒前駆体で、スチレンのヒドロホルミル化を行ったところ、選択的な分岐アルデヒド生成のtumover frequency (TOF) [Rh atom^<-1>・h^<-1>,30℃]で示した触媒効率は、2(9.7)>1(4.6)>3=^^〜Ph_2P(CH_2)_2PPh_2(〜3)>Ph_2P(CH_2)_4PPh_2(1.8)となった。酢酸ビニルのヒドロホルミル化でも全く同じTOFの順序であった。従って、これらRh(I)の補助配位子における広いbite angle(〜120°)は触媒活性を維持する上で極めて優れていると結論できる。 しかしこれらは[2.2.1]heptane骨格からのペンダントの立体崇高さが不足している為、分岐アルデヒドでの不斉誘起が見られなかった。式1に従って新たにジホスファイト4を合成し、Rh(I)/4系触媒でナフロキセン合成へのヒドロホルミル化を試みた結果、反応は容易に完結するが不斉収率は14%eeに止まっている。
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