直接シミュレーション(圧縮性LES法や擬スペクトル法によって計算された)による移流マッハ数M_c=0.3の混合層と乱流マッハ数M_t=0.6の一様等方性乱流の局所ながれ場をトポロジー的観点から研究を行なった。その結果、圧縮性混合層においては三次元大規模構造が形成されることによって形成されるひずみ場ではトポロジー的分類によってUnstable node/saddle/saddle流れが高散逸領域を形成し、大規模構造がヘリカルペアリング状態であるとき、渦集中領域においてUnstable focus compressing構造が高散逸領域を形成していることが明らかになった.一方、一様等方性圧縮性乱流においては、高散逸領域はUnstable node/saddle/saddleとStable focus/stretchingとUnstable focus/compressingの局所流れパターンが支配的であることが明らかになった。また、高エンストロフィー領域は、Stablefocus/stretchingとUnstable focus/compressingのトポロジーが卓越することが分った。平均シャー場を持つ混合層と一様等方性乱流について高散逸領域はUnstable node/saddle/saddleであることが共通し、一様等方性乱流ではStable focus/stretchingとUnstable focus/compressingのトポロジーが大きな分布を示すことが相違点である。さらに、高エンストロフィーと高散逸領域で支配的な一様等方性乱流のStable focus/stretchingの流れパターンは重要であることが推測される。また、第二不変量におけるS_<ij>S_<ji>と-R_<ij>R_<ji>の分布は混合層と一様等方性乱流の間では大きくかけ離れてはいないことも明らかになった。
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