研究課題/領域番号 |
06233101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
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研究分担者 |
山岡 均 九州大学, 理学部, 助手 (70243855)
高部 英明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (20150352)
嶺重 慎 京都大学, 理学部, 助手 (70229780)
吉井 譲 東京大学, 理学部, 教授 (00158388)
蜂巣 泉 東京大学, 教養学部, 助手 (90135533)
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キーワード | 元素の起源 / 超新星 / 爆燃波 / レーリー・テーラー不安定 / レーザー核融合 / 降着円盤 / 銀河の化学進化 / X線 |
研究概要 |
銀河団の進化や超新星爆発のメカニズムを明らかにする上で必要な計算機パワーを確保するために、重力多体問題専用計算機 GRAPE-3AFのコピーを6枚製作した。(蜂巣)。 超新星爆発によって生成される放射性元素が放つ核ガンマ線の定量的研究を進めるために、超新星爆発モデルの作成および改良を行なった。特に、昨年近傍の銀河M51に出現したIc型超新星1994Iについて、外層を失って炭素・酸素コアのみになった星の爆発であるとするモデルを提唱した(野本・山岡)。 星の爆発時に強い衝撃波が形成され、これが物質を外方へ加速する際、流体力学的不安定性が発生する。圧縮性流体の多次元的振舞を追跡する高精度流体コードを開発し、R-M不安定の素過程を調べた。またエネルギー輸送効果が乱流発展に及ぼす効果について調べ、熱伝導効果による短波長擾乱の安定化を確認した(高部)。 II型超新星爆発によってふきとばされた外層の一部は、新しく生まれたコンパクト星に降りつもる。最近、降着円盤には、高温で幾何学的に比較的厚めの解が普遍的に存在することがわかってきた。特に降着ガスが最初からかなり高温(数億度)であれば、ガスは自由落下に近い速度で降着できる。降着円盤は高温高密となり、この中で核燃焼が起これば、ふつうの超新星爆発とは異なる元素成分が合成されると期待されることが分かった。(嶺重)。 最近,銀河初期に生まれたハロ-星のBe存在量がほぼ一定の値を持つことが観測より明らかにされた。この値が宇宙の元素合成の予測値より数桁も高い値である原因について,ハロ-星がガス雲との遭遇を繰り返すことで星の表面組成が変化した結果であり,観測された極端に高い値は宇宙の元素合成の結果をそのまま反映していないという新しい仮説を提出した(吉井)。
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