研究課題/領域番号 |
06234102
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
吉田 豊 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (40241129)
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研究分担者 |
小林 義男 理化学研究所, 核化学研究室, 研究員 (30221245)
阿部 文敏 理化学研究所, 核化学研究室, 主任研究員 (50087491)
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00030057)
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キーワード | 希ガス固体 / 格子間原子拡散 / メスバウア分光 / Ar |
研究概要 |
インビーム・メスバウア分光用測定チェンバーとそれに直接接続可能な固体アルゴン作製装置を静岡理工科大学にて製作・完成した。インビーム測定を行うためには、測定装置の遠隔操作が不可欠である。放射線管理のために、測定装置は加速器ビームライン(地下2階)に置き、それを測定室(1階)から遠隔操作を行う。測定装置は真空計、排気装置、ゲートバルブ、試料温度制御装置、試料導入装置、ファースト計測システム、パーソナルコンピューターを利用した遠隔操作のための新しい計測制御システム等から成る。6月にはすべての測定装置を理研AVFサイクロトロンのビームラインに設置し、第1回のテスト実験を行った。その結果を以下にまとめる。 (1)測定装置及び計測制御システムの動作を確認した。 (2)テスト実験として、Ag中のFeメスバウアスペクトルを計画した。AVFサイクロトロンからの^<40>Arパルスビーム(110MeV)は、ターゲット上にうまくフォーカスされたが、ビーム間引き措置が不十分で、ファースト計測システムによる時間スペクトルの測定のみを行った。現在、サイクロトロンのビーム調整・開発が行なわれている。 (3)^<57>Feを富化したステンレスを用いた、パラレル・プレート。アバランチカウンタ(PPAC)を静岡理工科大学で製作し、動作確認を行った。 (4)測定には大きな面積の固体アルゴンが必要で、作製装置のテストを行った。2月の第2回実験では、残念ながら、PPACが高圧導入端子の絶縁部分で生じた暗電流の為に動作せず、スペエクトルの測定にまで至らなかった。今後、十分な実験時間が与えられれば、これらの装置を利用して、固体アルゴン中の格子間鉄原子の動的挙動を原子スケールで直接観察できるものと期待される。
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