研究分担者 |
三好 旦六 神戸大学, 工学部, 教授 (20031114)
福山 秀敏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10004441)
長岡 洋介 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (60022539)
川畑 有郷 学習院大学, 理学部, 教授 (80013514)
伊澤 義雅 広島大学, 工学部, 教授 (10006265)
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研究概要 |
この計画研究の主たる目的は人工極微構造に現れる基礎物理学上重要な問題を理論的に解き明かし,新しい概念を創出することである.物性基礎論的な純粋理論的な問題から,実験グループと密接な関係を保ちながら行う研究,さらにはデバイスの動作原理や限界と関連した問題まで,幅広い研究を総合的に行うことを目的とする. 開始初年度の具体的研究課題として取り上げた線形応答理論の見直しに関しては,バリスティック伝導に対する非弾性散乱の効果を含める方法を開発し,Buttiker-Landauer流の透過確率で決まる電気伝導から電導率テンソルで決まる古典的な伝導の間のクロスオーバを明らかにすることができた.また,量子細線の電気伝導に対する電子間相互作用の効果,特に朝永-Luttinger流体効果による温度変化などついて,実験と直接対応した大きな発展があった.さらに,量子点の電子状態と輸送現象・トンネル効果に関しては,ポテンシャルゆらぎによりクーロン振動の不規則なゆらぎを説明することができた.コンダクタンスゆらぎについては平均とゆらぎの関係,ゆらぎに対する磁場効果などが明らかになりつつある.ウィグナー分布関数による多次元量子構造モデルの具体的な応用では,デバイスとして用いたときに現れる種々の量子効果の影響についての考察を開始した. 本年度の実験グループの成果に基づき,来年度は関連のテーマについて密接な共同研究を推進することを目指す.
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