研究課題/領域番号 |
06238102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 進 東京大学, 教養学部, 教授 (00153677)
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研究分担者 |
落合 勇一 千葉大学, 工学部, 助教授 (60111366)
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10183097)
家 泰弘 東京大学, 物性研究所, 教授 (30125984)
浜口 智尋 大阪大学, 工学部, 教授 (40029004)
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キーワード | 端状態 / 位相干渉長 / エネルギー緩和長 / 超格子構造 / Stark-ladder / ベクトルポテンシャル変調 / シークエンシャル共鳴トンネル / 準バリスティック伝導 |
研究概要 |
端状態の位相干渉性を調べるための基礎として、GaAs系ヘテロ構造中2次元電子系の端状態間非平衡分布の緩和長を温度・磁場の関数として測定し、端状態の分散関係について知見を得た。また量子ホール効果状態の崩壊現象につき、その試料長依存性の測定から、エネルギー緩和長が10μm程度以上であることを明らかにした(小宮山)。超格子構造での高電界輸送現象に及ぼすStark-laddarの影響を調べるため、GaAs/AlAs超格子を真性層にもつp-i-n構造にてZenner電流を測定し、電流-電圧特性に小さな振動が現れることを見出した(浜口)。GaAs系ヘテロ構造中2次元電子系に微細加工した強磁性金属(Ni)ゲートを付けた試料の低温での磁気抵抗を測定し、空間的に変調されたベクトルポテンシャルによる幾何学的共鳴に基因する磁気抵抗振動を初めて実験的に見出した(家)。半導体2重量子井戸構造中の2次元-2次元トンネル現象における電子波コヒーレンス性解明の基礎として、GaAs/AlGaAs多重量子井戸構造中のシークエンシャル共鳴トンネル現象に対する磁場印加の効果を調べた。ランダウ準位幅が実験的に決定できること、またその幅が占有率に依存するスクリーニング効果により、大きく振動的に変化することを明らかにした(平川)。量子細線の準バリスティック伝導域における電子波干渉効果を明らかにするためにGaAs系ヘテロ構造による量子細線の低温電気伝導を測定し、伝導度ゆらぎの普遍性が磁場印加により破られることを確認し、かつ電子散乱機構に関する知見を得た(落合)。
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