研究概要 |
(1)10-メチルレチナ-ルとアポレチノクロムとの色素形成をした(λ_<max>505nm)。 (2)10-メチルレチノクロムは570nmの光によって、光退色し、高位置選択的に10-methyl-11-cis-retinalを与えることをNMRなどによって確認した。 (3)上で得られた10-methyl-11-cis-retinalは負の円二色性を示した。 アセトニトリル中で10-methyl-all-trans-retinalを光異性化すると10%以下の選択率で10-methyl-11-cis-retinalが得られるが、それは円二色性を示さない。 (4)10-methyl-11-cis-retinalはウシオプシンとロドプシンを形成した(λ_<max>510nm)。 (5)10-メチルロドプシン再生のダイナミックス レチノクロムの光異性化を利用して得られた10-methyl-11-cis-retinalを用いて10-メチルロドプシンを再生すると、ラセミ化した10-methyl-11-cis-retinalを用いて再生した場合と比較して形成速度が約1/2であることがわかった。また、ラセミ化した10-methyl-11-cis-retinalを用いた形成速度は天然の11-cis-retinalを用いてロドプシンを再生する速度はほぼ等しいこともわかった。 (6)この光trans-cis異性化の位置選択性を決める構造因子についてしらべるため、共役系の長さの異なるレチナ-ルアナログである5,6,-dihydroretinal,7,8-dihydroretinal,5,6,7,8-tetrahydroretinal,3,4-dehydroretinal,a-retinalを合成した。 (7)これらのレチナ-ルアナログとアポレチノクロムとの色素形成をした。 (8)レチナ-ルアナログの相対的な色素形成速度をもとめた。 (9)色素形成に際して、β-ヨノンの添加が拮抗作用を示すことがわかった。
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