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1995 年度 実績報告書

脂質の関与する超分子形成と機能

研究課題

研究課題/領域番号 06240101
研究機関東京大学

研究代表者

橘 和夫  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70142081)

研究分担者 佐竹 真幸  東北大学, 農学部, 助手 (90261495)
佐藤 清隆  広島大学, 生物生産学部, 教授 (80034479)
岡畑 恵雄  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80038017)
キーワードブレベトキシン / シガトキシン / ナトリウムチャネル / マイトトキシン / 水晶発振子 / ガングリオシド / 脂質二重膜 / ポリセオナミドB
研究概要

細胞膜の主成分である脂質膜の関与する超分子形成につき、以下の新知見を得た。
1.ブレベトキシンの電位依存性Na^+チャネルを介した神経芽腫細胞への毒性の、細胞密度への依存性を調べた結果、本化合物の非特異的膜結合画分は有意でないと判断できた。また前年のシガトキシン合成JKLM環に続き、同GH環に関してもNa^+チャネルへの弱い結合が認められ、シガトキシンが脂質膜中でNa^+チャネルを多点認識していることが推定できた。
グリア細胞に電位感受性およびCa^<2+>感受性蛍光剤をそれぞれ取り込ませた実験系を確立した。これによりマイトトキシンによる脱分極とCa^<2+>流入活性が観測され、これらの発現は同一機構によらないことが判明した(橘)。
2.脂質単分子膜に共役させた水晶発振子を用い、WGAレクチンおよびインフルエンザ・ウィルスによる膜中のガングリオシドの認識が観測できた。ここで、この認識能の脂質膜成分への依存性が見られた(岡畑)。
3.海綿由来の生理活性物質の結合による、脂質二重膜構造への影響を熱力学的、分光学的、および顕微的手段により調べた結果、細胞毒ポリセオナミドBは螺せん構造を取って脂質極性部および疎水性部の双方の構造を揺動していた。これに対し、PLA_2阻害物質ディスコダミンAは膜表面の極性部のみに結合していることが推定できた(佐藤)。
4.食中毒の原因となるイガイより、ブレベトキシン類縁体3種を単離、このうち1種の構造を決定した。この神経毒作用により、提唱されているブレベトキシンの作用機作に修正の必要性が判明した。また同じく中毒原因のカキより膜結合性を有する新規魚毒性化合物を単離、構造決定した(佐竹)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Gopal K.Paul,橘 他: "Isolation and Chemical Structure of Amphidinol 2, a Potent Hemolytic Compound from Marine Dinaflagellate Amphidinium klebsii" Tetrahedron Letters. 36. 6279-6282 (1995)

  • [文献書誌] 胡梅,橘 和夫 他: "Cholesterol-independent Membrane Disruption Caused by Triterpenoid Saponins" Biochimica et Biophysica Acta. 1299. 252-258 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤清隆: "結晶性油脂の構造と物性" 油化学. 44. 702-712 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤清隆 他: "不飽和脂質の構造物性と分子間相互作用" 日本農芸化学会誌. 69. 725-728 (1995)

  • [文献書誌] 関哲也,佐竹真幸 他: "Grymnodimine,a New Marine Toxin of Unprecedented Structure Isolated from New Zealand Oysters and the Din of lagellate,Gyrnnodinium" Tetrahedron Letters. 36. 7093-7096 (1995)

  • [文献書誌] 諸橋昭男,佐竹真幸 他: "Brevetoxin B3,a New Brevetoxin Analog Isolated from the Greenshelt Mussel Involved in Neurotoxic Shellfish Poisoning in New Zealand" Tetrahedrom Letters. 36. 8995-8998 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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