研究課題/領域番号 |
06241248
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (80029206)
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研究分担者 |
勝山 茂 大阪大学, 工学部, 助手 (00224478)
真島 一彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029270)
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キーワード | 錯体重合法 / 酸化物高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束線ピン止め力 |
研究概要 |
酸化物超伝導体YBa_2Cu_3O_yの輸送臨界電流密度J_cや磁束線ピン止め力F_Pの上昇にはAgの添加が有効であることが知られている。この理由はAgが試料中の空孔を埋めるように分布し、Weak Linkの問題が改善される、さらに試料の粒子配向性および焼結度がよくなるためであると考えられている。しかしながら、各元素の酸化物あるいは炭酸塩の空気中における固相反応により合成するという通常の固相法では、焼結中にAgが均一に分散せず、凝集してしまう傾向があった。この点を改善するために我々は以前にMG(メカニカルグラインディング)法を試み、ある程度の成果を得たが、MG中に反応容器より不純物が試料中に混入するという欠点があった。アモルファス錯体法の一方法である錯体重合法は、目標とするセラミックスと同じ元素組成を持つ複合高分子錯体を前駆体として出発し、その後の熱処理によって所望の組成を持ったセラミックスを合成するというもので、不純物の混入なしに構成元素が均一に混合された物質を合成できるという特徴を持っている。YBa_2Cu_3O_yとAgのコンポジット超伝導体の作製にアモルファス錯体法を適用したところ、かなり微細な前駆体粉末を得ることができた。AgはYBa_2Cu_3O_yマトリックス中には固溶せず金属AgまたはAg_2Oの形で存在する。前駆体粉末の焼結体をSEMで観察したところ、結晶粒は小さくなっていたが、空孔が目立った。F_Pは通常の固相反応法による試料よりも高い値を示したが、MG法による試料よりは低かった。これは焼結前の粉末が微細であるため、焼結が進行していないためであると考えられた。最適の焼結法を見出すことが今後の課題であると考えられる。
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