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1994 年度 実績報告書

分子識別能を有するインテリジェント配糖錯体の設計

研究課題

研究課題/領域番号 06242103
研究機関奈良女子大学

研究代表者

矢野 重信  奈良女子大学, 理学部, 教授 (60011186)

研究分担者 長野 哲雄  東京大学, 薬学部, 助教授 (20111552)
大倉 一郎  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
加藤 昌子  奈良女子大学, 理学部, 助手 (80214401)
キーワード分子識別 / インテリジェント錯体 / 配糖錯体 / X線結晶構造解析
研究概要

1.本研究では、分枝状テトラミンであるトリス(2-アミノエチル)アミン;trenを用いることにより、[Ni(aldose_3-Ttren)]^<2+>という新しい型の配糖錯体の合成を試みた。出発原料としてNiSO_4・6H_2Oを選択した場合、L-Rhamnoseについては異なるタイプの結晶性錯体が得られ、この錯体と目的の錯体との関連について詳細に検討した。
2.配糖錯体の合成 trenと4倍当量の糖(D-Mannose,L-Rhamnose)をメタノール中で180〜240分間50〜55℃で反応させ、Ni(II)塩(ハロゲン化物、硫酸塩)を加えた後、Sephadex LH-20により分離精製を行い、青色成分から青色粉末が、また、硫酸ニッケルとL-rhaの場合は空色の結晶が得られた。測定 得られた錯体について、元素分析、電子吸収(AB)、円偏光二色性(CD)、赤外線吸収(IR)、固体の透過(TR)スペクトル、および磁化率の測定を行った。X線結晶構造解析 [Ni((L-Rha)_3-tren)(SO_4)]・H_2O・3CH_3OH(錯体1)の結晶の最終的なR値は8.4%であった。
3.元素分析結果等は、錯体1を除くといずれの錯体も、糖を3分子含む配糖錯体[Ni(aldose_3-tren)]X_n(X=CT、Br、SO_4^<2->)(n=1 or 2)であることを示している。これらは糖分子間の水素結合で安定化された構造をとり、さらにtrenの3級窒素が八面体の3回軸方向から配位したmono face-capped octahedralであると考えられる。また、配位子であるN-グリコシドの糖部分が配位する前に対イオンであるSO_4^<2->がキレート配位した構造であることが判明した。さらに、錯体1からBaX_2(X=Cl、Br)を用いてSO_4^<2->を引き抜いたところ、[Ni(aldose_3-tren)]^<2+>型になることがAB、CDスペクトルにより支持されたので、これは目的の錯体の前駆体であると推定される。
以上、本研究により分子内にtren部分の疎水場と糖部分で形成される親水場の両方を持つ分子識別能を有する新しい反応場の構築への手掛かりを得ることができたものとみなされる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 棚瀬知明: "Inversion of Configuration around the Seven-Coordinated CobaltCenter Induced by an Interaction between Sugars and Tetrahedral Oxoamons" Inorganic Chemistry. 33. 5-6 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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