研究課題/領域番号 |
06242105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
戸田 芙三夫 愛媛大学, 工学部, 教授 (50036232)
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研究分担者 |
小林 啓二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012456)
境野 芳子 群馬大学, 教育学部, 教授 (70008142)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 光反応 / 熱反応 / キラル結晶 / キラル合成 / 包接結晶 / 固相CDスペクトル / 分子認識 / 蒸留分割法 |
研究概要 |
A01班は、有機結晶環境下での反応設計の研究を3年間にわたり研究してきた。研究の主題は(1)有機結晶環境下での光反応と(2)同環境下での熱反応について分けることができる。前者においては反応する分子独自が形成するキラル結晶への光照射によるキラル合成と、キラルホスト分子との包接結晶への光照射によるキラル合成に大別できる。アキラル分子がキラル配列してキラル結晶を形成する例は数多く発見されたし、これへの光照射によるキラル合成例も数多く見出された。キラルホストを用いるキラル合成は極めて成功的であり、多くの優れたキラル合成法を確立できた。又、キラル配列を固相CDスペクトルによって予知できる簡便な方法を確立することもできた。キラル合成のためのキラルホスト化合物も多種多様なものが設計された。これらのホストによる包接結晶中での分子認識も詳細に研究された。中でも、天然の安い不斉源であるアミノ酸や酒石酸から誘導したキラルホストの設計と分子認識の研究は価値が高く、これらのキラルホストとの包接化を用いる光学分割の研究は多くの研究成果を生み出した。中でも、キラル認識と蒸留を組み合わせた蒸留分割法は画期的である。又、これらの方法は溶媒を必要としない観点からも価値が高い。 熱反応も精力的に研究され、無溶媒で簡便な有機合成法が数多く開発された。例えば、高希釈条件下で行われるDieckmann縮合反応を固相で行うことを見出した点は興味深い。
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