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1994 年度 実績報告書

高分子鎖の包接現象と包接に伴う結晶化による分子認識

研究課題

研究課題/領域番号 06242211
研究機関大阪大学

研究代表者

原田 明  大阪大学, 理学部, 助教授 (80127282)

研究分担者 蒲池 幹治  大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
キーワード包接 / シクロデキストリン / ポリエチレングリコール / ポリロタクサン
研究概要

グルコール6個からなるα-シクロデキストリンと細いポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)との結晶性の錯体形成について詳細に検討したところ、1個のα-シクロデキストリンはエチレングリコール2単位と結合していることが明らかになった。また錯体形成はポリマーの分子量に強く依存することがわかった。また単分散のオリゴエチレングリコールを合成し、α-シクロデキストリンとの錯体形成について詳細に検討し、化学量論や錯体形成機構について検討した。錯体のX-線構造解析や固体のNMRスペクトルなどからポリマー鎖はシクロデキストリンの空洞内に取り込まれていることがわかった。7個からなるβ-シクロデキストリンはPEGとは錯体を形成しないが、ポリプロピレングリコール(PPG)とは高収率で錯体を形成することがわかった。α-シクロデキストリンはPPGとは錯体を形成しない。さらにグルコース8個からなるγ-シクロデキストリンはポリメチルビニルエーテル(PMeVE)と錯体を形成するが、α-、β-シクロデキストリンは(PMeVE)とは錯体を形成しないことがわかった。このようにシクロデキストリンはポリマーの構造(断面積の大きさ)により高い特異性を示すことがわかった。
さらにα-シクロデキストリンと単分散PEGビスアミンとの錯体を単離し、これを2、4-ジニトロフルオロベンゼンのようなシクロデキストリンの空洞を通り抜けることができないような大きな置換基と反応させることにより、12個のシクロデキストリンをポリエチレングリコール鎖に閉じこめることができた(ポリロタクサン)。この化合物はポリマー鎖のほぼ端から端まで詰まったポリロタクサンであった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] A.Harada,J.Li,M.Kamachi: "Preparation and Characterization Consisting of Monodisperse Ploy(ethylenc glycol)and α-Cyclodexfrin" J.Am.Chem.Soc.,. 116. 3192-3196 (1994)

  • [文献書誌] A.Harada,J.Li M.Kamachi: "Double-stranded Inclusion Complexes of Cyclodexfrin Tnreaded on Poly(ethylene glycol)" Nature. 370. 126-128 (1994)

  • [文献書誌] A.Harada,J.Li M.Kamachi: "Formation of Inclusion Complexes of Monodisperse Oligo(ethylene glycol)s with α-Cyclodexfrin" Macromolecules. 27. 4538-4543 (1994)

  • [文献書誌] J.Li.A.Harada M.Kamachi: "Sol-Gel Transition during Inclusion Complex Formation between α-Cyclodextrin and Higy Molecular Neight Poly(ethylene glycol)s in Agucous Solution" Polymer J.26. 1019-1026 (1994)

  • [文献書誌] J.Li,A.Harada M.Kamachi: "Formation of Inclusion Complexes of Oligoethylenc and Its Derivatives with α-Cyclodextrin" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 67. 2808-2818 (1994)

  • [文献書誌] A.Hashizume,A.Kajwara,A.Harada,M.Kamachi: "Polymerization of Trifluoroacetaldehyde Azine (1,1,1,6,6,6-Hexafluoro-3,4-diaza-2,4-hexadienc)" Macromolecules. 28. 417-420 (1995)

  • [文献書誌] A.Harada(共著): "Chains,Clusters,Inclusion Compounds,Paramagnetic Labels,and Organic Rings" Elsevier(Amsterdom), 661 (1994)

  • [文献書誌] A.Harada,J.Li.M,Kamachi(共著): "Ordering in Macromolecular Systems" Springer.Verlag(Berlin), 350 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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