研究課題/領域番号 |
06244103
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大貫 惇睦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40118659)
|
研究分担者 |
遠藤 康夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00013483)
後藤 輝孝 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60134053)
金道 浩一 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (20205058)
菅 滋正 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40107438)
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
|
キーワード | 強相関電子系 / メタ磁性 / 異方的超伝導 / ギャップ近藤 / 重い電子系 / 希土類化合物 / ウラン化合物 |
研究概要 |
強相関電子系の3つのテーマ、(1)メタ磁性、(2)超伝導、(3)ギャップ近藤に対して研究成果が実ってきた。 (1)まず重い電子系CeRu_2Si_2のメタ磁性である。これまでドハース・ファンアルフェン効果で検出された120m_0を持つ遍歴する重い電子に関し、8Tのメタ磁性転移以上の磁場領域でフェルミ面は大きく変わり、f電子は遍歴から局在に変貌するという主張であった。微分磁化率からはこのメタ磁性は1次の相転移でないことも明らかにされた。今年度はこれまで世界中の誰もが行なったことがない0.2〜4.2Kの一定の温度下での比熱の磁場依存性が測定された。これは全く新しい知見を与えることになり、メタ磁性をはさんだ2つのフェルミ液体相の相境界がはっきりした。これまでの3つの主要な実験結果をどう整合させて理解するかがこれからの課題である。 (2)の超伝導に関しては、UPt_3の超伝導の対称性に関して、NMRと磁化から導いたスピン帯磁率を通して、奇パリティであると結論された。この成果は2編の論文Phys.Rev.Lett.に掲載された。同時に対のスピン軌道相互作用は弱いことも分かった。また、GeRu_2やURu_2Si_2などの超伝導混合状態でドハース・ファンアルフェン効果が検出され、混合状態での散乱の緩和時間やサイクロトロン質量が磁場変化することなどが明らかにされた。 (3)のギャップ近藤に関してはCeNiSnを中心にして、多くの研究成果が発表された。電子構造として14Kと60Kの2つのギャップ構造を持つ状態密度に特徴があり、それぞれのギャップはNMRやトンネル効果から検出されたが、その2つのギャップが60Tまでの強磁場磁化にも反映する実験結果を得た。 その他少数キャリア系、2チャンネル近藤効果、四重極モーメントに関する研究成果も多数続出した。
|