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1995 年度 実績報告書

強相関伝導系の結晶育成

研究課題

研究課題/領域番号 06244106
研究機関広島大学

研究代表者

藤井 博信  広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)

研究分担者 志賀 正幸  京都大学, 工学研究科, 教授 (30026025)
石川 征靖  東京大学, 物性研究所, 教授 (70159705)
佐藤 英行  東京都立大学, 理学部, 教授 (80106608)
鈴木 健爾  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005861)
前沢 邦彦  富山県立大学, 工学部, 教授 (90099408)
小松原 武美  東北大学, 理学研究科, 教授 (80004331)
キーワード強相関電子系 / 異方的超伝導 / メタ磁性 / 近藤余金属 / 重い電子 / 価数揺動 / 結晶育成 / 混成効果
研究概要

平成7年度は、平成6年度に引き続き、(1)新物質探索グループが、重い電子系や価数揺動系の中に、特異な物性(異方的非BCS超伝導、メタ磁性転移、金属-非金属転移など)を示す典型物質の発見やこれまでにない新しい基底状態を示す物質の開発を目指して、物質探索を行ってきた。これまでに、f-電子を含まないが特異な物性を示す超伝導体ThNi_2B_2C(T_c=7K)の発見、メタ磁性転位を示す重い電子系(CeNi_2Ge_2(H_c42T at 4.2K)やメタ磁性転移価数揺動系EuPd_2Si_2(H_c=70T at 4.2K)の発見、フェルミ面上にエネルギー・ギャップ(Δ=140K)をもつ価数揺動半導体(CeRhAsの発見など特筆すべき成果がえられた。さらに、Γ_8を基底状態とする特異な近藤格子系化合物Ce_3Pd_<20>Ge_6(T_N=0.7K,四重極モーメントがオーダーする温度T_c=1.2K)や何ら秩序を示さない重い電子系物質CeFeGe_3、CeCoC_2およびUFe_3Si_8の発見があった。しかし、新しい側面をもつ異方的非BCS超伝導体の発見には未だ至っていない。一方、(2)単結晶育成グループは、典型物質のさらなる高純度化を目指して、UPt_3、UPd_2Al_3、UNi_2Al_3、CeCo_2、CeRu_2、CeRu_2Si_2、CeNiSn、CeRhSbなどの単結晶の育成および超高真空中での固相電界法やフローティング・ゾーン法による純良化が試みられた。その結果、UPt_3は残留抵抗比が500を越える試料が得られるようになり、重い電子系超伝導の発現機構の解明を目指して、系統的・多面的な物性研究が、精力的に進められている。UPd_2Al_3およびUNi_2Al_3は基底状態で、超伝導と反強磁性が共存した重い電子系物質であるが、これまでの努力によって、UPd_2Al_3についてはdHVA-効果が広い角度範囲で観測できる程の結晶の純良化に成功しており、系統的な研究が行われている。最近、UNi_2Al_3単結晶の育成にも成功し、これから物性評価が始まる。フェルミ面上にエネルギーギャップをもつCeNiSnおよびCeRhSbについても、結晶の純良が上がると、電気抵抗は半導体から半金属的な振る舞いへと変わって来た。系統的、多面的な物性研究より、CeNiSnは、斜方晶構造の主軸方向でギャップの閉じた半金属状態である事が解ってきた。強相関電子系の示す物性の本質を更に鮮明にするためには、今後、さらなる超純良化が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T. Takabatake, H. Fujii etal.,: "Gap formation in Single-Crystal CeRhSb" Physica B. 206 & 207. 804-806 (1995)

  • [文献書誌] K. Nakamura, …… & H. Fujii: "NMR/NQR study of Kondo Semiconductors CeNiSn and CeRhSb" Physica B. 206 & 207. 829-831 (1995)

  • [文献書誌] T. Ekino, ……& H. Fujii: "Tunneling evidence for the energy gap in CeNiSn and CeRhSb" Phys. Rev. Lett.75. 4262-4265 (1995)

  • [文献書誌] J. Sato, H. Fujii et al.,: "Neuton scattering study of antiferromagnetic correlations in CeNiSn and CeRhSb" J. Phys. Condens. Matter.7. 8009-8026 (1995)

  • [文献書誌] G. Nakamoto, H. Fujii et al.,: "Crystal grawth and daracterization of the Kondo Semiconductor CeNiSn" J. Phys. Soc. Jpn. 64. 4834-4840 (1995)

  • [文献書誌] K. Nakamura, ……, & H. Fujii: "Impurity and doping effect on the pseudoenergy gap in CeNiSn: Sn NMR" Phys. Rev.B53. 1-8 (1996)

  • [文献書誌] H. Fujii and H. Sun: "Interstitially Modified Intermetallics of Rare Earth and 3d-Elemints Handbook of Magnetic Materials" Elsevier Science, Edited by K. H. J. Buschow, 101 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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