研究課題/領域番号 |
06245102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花村 栄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70013472)
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研究分担者 |
清水 富士夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011156)
山西 正道 広島大学, 工学部, 教授 (30081441)
宅間 宏 日本原子力研究所東海研究所内, 光量子科学センター, 特別研究員
五神 真 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70161809)
張 紀久夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1997
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キーワード | レーザー冷却 / 原子波光学 / 非古典光 / 微小光共振器 / 励起子 / 共振器ポラトリン / 近接場分光 / フォトニックバンド |
研究概要 |
本重点領域では、近年著しい進歩を遂げた半導体等の物質系の極限的な制御技術を背景として、電子系をその量子効果が顕著に現れる様な微小空間に閉じ込めさらに、輻射場も量子論的なサイズすなわち、光波長程度のオーダーでの制御を同時に行い、両者の相互作用を増大することを提案し、その相互に量子論的に制御された結合系に現れる新たな物理現象の探索とその応用分野の開拓をめざした。本研究では研究者の分野は、原子分子、量子エレクトロニクス、固体物理、電子工学、光物性、化学等、多岐にわたった。本重点領域研究では、異分野間の交流も活発に行われ、多くの共同研究が進められた。本研究では総括班のもとに、3つの班を設け相互に連携させながら研究を進めた。 第一班では量子光学の基礎的な問題及び、レーザー冷却技術を駆使して、希薄原子気体の新しい物質相である極低温原子集団の物理及びその応用を探求した。その結果、「原子波光学」という新分野を開拓した。更に、近接場を用いて極微小領域での分光法を開発し、更に輻射場を閉じ込めるフォトンクスバンドの作成にまで進んだ。第二班は、半導体量子井戸系を用いて光子数スクイーズ状態の古典光を広帯域で作成する事に成功し、デバイス化に成功した。さらに、少数電子間の相互作用を巧みに利用することにより、高帯域にわたり、揺らぎがショットノイズ以下に抑えられる光源を実現することに成功した。第三班は振動子強度がより大きくかつ、より高密度に分布する高分子やイオン結晶の微小共振器を作成し、輻射場と電子系の強い結合状態を実現した。また、半導体や分子性結晶の素励起の非調和性や非古典光発生のメカニズムなどについて新しい知見を得た。
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