研究課題/領域番号 |
06246103
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡崎 健 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (20124729)
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研究分担者 |
石原 達己 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
八木 順一郎 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20006050)
福谷 征史郎 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (40026208)
上野 晃史 静岡大学, 工学部, 教授 (30135420)
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
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キーワード | 炭化水素 / プラズマ化学反応 / 触媒化学反応 / エクセルギー / メタノール合成 / エネルギー有効利用 / 反応機構 / ラジカル反応 |
研究概要 |
炭化水素系燃料からの高効率なエクセルギー抽出を達成するために必要なさまざまな新しい物質変換、あるいは改質技術に関連する基礎研究が前年度に引き続き行われた。特に、低質の低温熱源により水素に改質できるメタノールのメタンからの直接合成に関する研究に重点が置かれ、いくつかの注目すべき成果が出てきている。特殊な非平衡低温プラズマ化学反応の応用では、常圧流動系における沿面放電によるメタン・水からのメタノール合成が行われ、H_2Oの反応への効果や誘電体の誘電率の影響が検討された。また、高電圧極短パルス放電によるメタン・水からのメタノール合成では、新しく発見されたフィラメント状放電時にメタノールの収率が従来の均一グロー状放電の場合の3倍にも達することが示された。これらはメタン・酸素を原料ガスとする部分酸化ではなく、化学熱力学的に見てはるかに困難なメタン・水からのメタノール直接合成で平衡値より4桁以上も高い1%オーダーの収率が得られ、これがプラズマ化学反応のみによって実現できる特有の反応機構によるものであることが明らかにされた。新しい触媒系の開発は、ゾル・ゲル法により調整した酸化モリブデン超微粒子触媒上では水蒸気の共存によりメタノールの酸化が抑制されることを応用して、メタンの部分酸化によるメタノールやアルデヒドの収率として目標値の4%以上を達成した。非平衡低温プラズマによるメタンからメタノールの直接合成に関する速度論的検討では、CH_3ラジカル+OHラジカルの第一電子励起状態におけるCH_3OHの生成と、電子の衝突によるCH_4からのCH_3ラジカル生成について、分子軌道法および分子動力学法による解析が行われた。高炉への補助燃料吹き込みでは、高炉排ガスを原料として、メタノールへの転換が容易でしかも平衡論的に有利なジメチルエーテルの直接合成を試み、γ-Al_2O_3を5%混合したCu-ZnO-Ga_2O_3触媒を用いた場合に従来の3.6倍に達する最大収率を得た。燃料電池型反応器を用いたメタンの酸素改質による電気-化学-熱エネルギーの併産では、LaGaO_3が電解質として十分使用できること、アノードとしてNi、カソードとしてSm_<0.6>Sr_<0.4>CoO_3が適すること、電極温度としては800℃が適することを明らかにした。
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