研究分担者 |
濱 純 工業技術院, 機械技術研究所・企画室, 室長
城戸 裕之 九州大学, 工学部, 教授 (50037959)
塩路 昌宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80135524)
田川 智彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10171571)
吉田 英生 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50166964)
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研究概要 |
(1)エクセルギー再生回収燃焼法の研究とし,燃焼過程で発生する熱エネルギーの動力への変換率を高める等温膨張燃焼を行うための燃焼制御の基礎知見を得,実証装置を試作した.また,燃料の酸化過程で有用な化合物(C_2H_4)と電力を同時に得る燃料電池反応器構築のための燃料極触媒設計の検証を行い,炭素質析出を抑制しつつ反応率の向上を可能とした.(2)水素燃焼技術の基礎の確立のための研究として,反応論的アプローチにより酸水素系の起爆限界へのメタン・メタノールの添加効果の評価,過酸化水素によるNO還元の最適化,DFWM分光によるNO検出について,新たな知見を得た.乱流燃焼機構の解明のための直接数値計算を行い,乱流予混合火炎の火炎構造に与える予熱温度の影響およびNOx生成機構を明らかにした.乱流予混合火炎の燃焼速度に選択拡散効果を考慮した乱流燃焼速度の整理式を提案し,それが広範囲の燃料の種類及び当量比において有効であることを明らかにした.乱流拡散火炎における2次元温度・速度およびOH濃度分布の同時測定を行い,火炎片伸長による温度低下現象の検証,伸長を与えた非定常モデル火炎の構造,消炎,再着火への曲率や選択拡散の影響を明らかにした.(3)水素ガスタービンにおける燃焼技術を確立するための基礎研究として,水素-酸素-水蒸気および水素-酸素-奇ガス混合気の燃焼速度を測定し,特に高圧での予測を可能とした.また,水素-酸素-水蒸気混合気は他の水素混合気よりも保炎が難しいことが解った.rich-lean燃焼による低NOx化と,NOからNO_2への変換促進について数値的に検討し,温度と当量比依存性を明確にした.また,高速空気中にステップで保炎された水素火炎の特性を調べ,メタン火炎と比較してその特性を明らかにした.(4)予混合燃焼水素エンジンにおける実測の圧力経過をCFDシミュレーションにより再現し,水素のエンジン内燃焼の特徴を示すとともに,熱力学モデルに基く詳細な検討により,燃料および燃焼経過によるNO生成量の変化,急速燃焼とNO生成特性の関連,NO低減のための燃料希釈の指針などについて理論的に明らかにした.(5)スクラムジェットエンジン用超音速燃焼の研究として,保炎器背後から噴射された水素の燃焼領域に衝撃波を入射し,火炎と衝撃波の干渉および保炎性能を調べ,最適なリセス幅があること,数値解析による活性化学種濃度分布圧力への水素噴射圧力の影響を明らかにした.
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