熱エネルギーのエクセルギー低損失変換

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06246106
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 藤田 恭伸 九州大学, 工学部, 教授 (90037763)
• 研究分担者: 斉藤 泰和 東京理科大学, 工学部, 教授 (10010761) ; 亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (10114448) ; 瀧本 昭 金沢大学, 工学部, 教授 (20019780) ; 鈴木 健二郎 京都大学, 工学部, 教授 (00026064) ; 熊田 雅弥 岐阜大学, 工学部, 教授 (30021603)
• キーワード: エクセルギー変換 / 低損失変換 / セラミック熱交換器 / ガスタービン翼冷却 / 排熱・環境影響物質同時回収 / 相変化エクセルギー高密度変換 / ケミカルヒートポンプ / 高伝熱性能触媒反応器

研究概要

1、高温エクセルギーの回収用流動層型セラミック熱交換器のコンパクト・高性能化を図るため、フィン付きセラミック管を試作し、最適フィン形状と締結条件の伝熱管に対し熱的性能評価を行い、約3倍強の管外熱伝達率など高性能の結果を得た。
2、ガスタービン翼の内面冷却性能向上への応用を目指し、斜め衝突噴流を伴うダクト内乱流の熱流動場をLDVと感温液晶を用いて測定し、伝熱促進領域を明らかにし、伝熱機構に及ぼす縦渦の影響を検討した。
3、熱回収ならびに物質(微粒子)回収に対する有効性を明らかにした環境適合型の高効率熱回収システムについて、過飽和現象に基づく有害ガスの吸収の効果を明らかにした。
4、高速高サブク-ル度の沸騰水の適用により、高熱流密度のエクセルギー変換が可能であることを示すとともに、熱流密度の限界を支配する熱流動条件を検討した。
5、ケミカルヒートポンプに関し、新たに開発した陽極酸化法を用いて内部フィン付き円管内に形成した軸方向に活性勾配を持たせた触媒が、エクセルギー損失の少ない高伝熱性を示すことを熱交換型反応装置で確認した。
6、沸騰加熱と環境温度冷却の条件下、2-プロパノール及びシクロヘキサン脱水素触媒反応が平衡値を超えて定常的に進行する液膜方式を開発し、反応熱の高温高効率回収を可能にした。

研究成果

• [文献書誌] 藤田恭伸: "Forced Convective Boiling of Subcooled Water at High Velocity" Proc.3rd KSME-JSME Thermal Engng.Conf.1. 395-400 (1996)
• [文献書誌] 姫路裕二: "Studies on High-Performace Ceramic Heat Exchanger for Ultra-High Temperature" Proc.of 10th Int.Conf.on Therm.Eng.and Thermogrammetry. (1997)
• [文献書誌] J.S.Acton: "An Experimental Study on Flow and Heat Transfer Characteristics of Longitudinal Vorties Induced by an Inclined Impinging Jet in a Crossflow(Further Report)" in printing. (1997)
• [文献書誌] 中部主敬: "Flow Visualization of Longitudinal Vortices Induced by an Inclined Impinging Jet in a Crossflow-Effective Cooling of High Temperature Gas turbine Blades Energy Convers.Manegement" in printing. (1997)
• [文献書誌] 中部主敬: "An Experimental Study on Flow and Heat Transfer Characteristics of Longitudinal Vorties Induced by an Inclined Impinging Jet in a Crossflow" Proc.3rd KSME-JSME Therm.Engng.Conf.3. 59-64 (1996)
• [文献書誌] 東尾篤史: "噴流により生成される縦渦の熱・流動特性(第2報)" 日本機会学会第74期全国大会講演論文集(III). 96-15. 393-394 (1996)
• [文献書誌] 瀧本昭: "凝縮過程を利用したガス吸収の促進" 第34回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (発表予定). (1997)
• [文献書誌] 瀧本昭: "Development of a Simultaneous Heat and Mass Recovery System for Exhaust Gas" Proc.3rd KSME-JSME Thermal Engng.Conf.III. 203-208 (1996)
• [文献書誌] 亀山秀雄: "陽極酸化アルミナ層を担体とした白金/アルミナプレート状触媒有効係数" 表面技術. 48-8. 720-724 (1996)
• [文献書誌] 村田究: "触媒材料としての陽極酸化アルミナ層の調整" 表面技術. 42-2. 173-177 (1996)
• [文献書誌] 亀山秀雄: "化学蓄熱とその応用例" 冷凍. 71-5. 476-483 (1996)
• [文献書誌] 寺井聡: "プレート状アルミナ触媒の細孔径制御に関する研究" 化学工学論文集. 21-6. 1069-1074 (1996)
• [文献書誌] 亀山秀雄: "多孔質アルミナ層を有する伝熱材料" 水素エネルギーシステム. 20-1/2. 16-23 (1995)
• [文献書誌] N.Meng: "Improvements on Thermal Efficiency of Chemical Heat Pump Involving the Reaction Couple of 2-Propanol Dehydrogenation and Acetone Hydrogenation" Int.J.Hydrogen Energy. (in press). (1997)
• [文献書誌] 劉 純山: "芳香族水素化/脱水素芳香族化触媒反応を用いる水素の長期間貯蔵" 水素エネルギーシステム. (印刷中). (1997)
• [文献書誌] 斉藤泰和: "2-プロパノール/アセトン/水素系ケミカルヒートポンプにおける脱水素反応転化率とシステム熱効率" 水素エネルギーシステム. (印刷中). (1997)
• [文献書誌] 斉藤泰和: "沸騰・液膜条件下での2-プロパノール脱水素触媒反応の特質" 水素エネルギーシステム. 21-1. 34-41 (1996)
• [文献書誌] 斉藤泰和: "ケミカルヒートポンプの現状と課題" 化学工学. 60-4. 255-259 (1996)
• [文献書誌] 瀧本昭: "Thermal Engineering for Global Environmental Protection,Heat and Mass Recovery from Exhaust Gas by Utilizing Mist Formation" Sengupta,S.and Sano,T.editors,Begell House Inc.Pub., 337 (1996)