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1994 年度 実績報告書

燃料電池反応器を用いた二酸化炭素フリー燃焼によるメタンからのエクセルギー抽出

研究課題

研究課題/領域番号 06246211
研究機関名古屋大学

研究代表者

田川 智彦  名古屋大学, 工学部, 助教授 (10171571)

研究分担者 後藤 繁雄  名古屋大学, 工学部, 教授 (90023283)
キーワード燃料電池型反応器 / メタンの有効利用 / 二酸化炭素フリー燃焼 / 固体電解質 / エクセルギー / メタン酸化カップリング
研究概要

1.反応装置の試作
現有のメタン酸化反応システムを改良して燃料電池反応システムを構成した。交流インピーダンス測定装置を購入し、電極の内部抵抗を測定できるよう工夫した。ガス流路を切り替えて、通常の触媒反応(メタンと空気の混合反応ガス)、濃淡電池操作(空気及びヘリウムを独立に流通)、燃料電池操作(空気及びメタンを独立に流通)酸素ポンプ操作(燃料電池操作に電圧を印加して酸素の透過を促進する)という4種類のモードを検討できるようにした。固体電解質としては平板状のイットリア安定化ジルコニア(厚さ0.3mm)を用いた。
2.燃料極触媒の選択
酸素極触媒・固体電解質は既存のもとを用いることとし、燃料極触媒の選択について集中的に検討した。燃料電池の原理上、酸素は固体電解質から格子酸素の形で燃料極触媒に移動する。従って、燃料極電極の格子酸素の移動性と活性化および反応性が触媒設計上の大きな指針となる。そこで、昇温脱離法(TPD)を用いて燃料極の酸素活性化能力を評価した。その結果、酸化ランタンを含む何種類かの希土類元素で、操作温度近傍で酸素の移動性の大きなものを見いだし、その反応性は完全酸化(二酸化炭素生成)よりC2化合物(エタン及びエチレン)生成に選択的であることも確認した。
3.燃料電池反応器でのメタンのCO2フリー燃焼
実際にLaA10型電極を調整して燃料電池反応器で試験を行った。濃淡電池で、起電力が観察され、電極として機能すること、メタンを燃焼させて96%以上の選択率でC2化合物を生成し、二酸化炭素をほとんど生成しないことこの時、反応の理論起電力相当の電圧が発生することなどを明らかにした。二酸化炭素を排出せずに、メタンを燃焼させ、有用化合物に変換しつつ、反応エネルギーを直接電力に変換できる新技術として、平成6年11月22日付日刊工業新聞に紹介された。現在は、反応率の向上を目指した電極の改良のついての検討が進行中である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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