研究課題/領域番号 |
06248229
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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研究分担者 |
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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キーワード | ジフテリア毒素 / エンドサイトーシス / 膜通過 |
研究概要 |
本研究は、ジフテリア毒素を材料に、細胞のエンドサイトーシス機構、エンドサイトーシスに関わるリセプターおよびその他のマシナリー、蛋白質の膜通過機構の解析、をめざすものである。今年度の成果は次の通りである。 1.ジフテリア毒素リセプター(DTR/HB-EGF)の毒素結合部位の解析を、ジフテリア毒素結合能がないマウスHB-EGFとヒトHB-EGFのキメラ分子を作製して、詳細に調べた結果、ジフテリア毒素はHB-EGFのEGFドメインに結合することを明らかにした。また、ジフテリア毒素結合部位とEGFリセプター結合部位は非常に近接しているかオーバーラップしている可能性が示された。 2.DTR/HB-EGFの細胞質側領域に改変を加え、エンドサイトーシスへの影響を調べた。従来、他の系ではエンドサイトーシスされるためのシグナルとして細胞質側領域に存在するTyl残基を含む構造が重要であると云われている。DTR/HB-EGFの細胞質領域には2個のTylが存在するので、それらを単独で、あるいは両方を同時に改変して、ジフテリア毒素の結合、ジフテリア毒素感受性について調べたが、特に大きな影響は認められなかった。このことから、DTR/HB-EGFでは従来とは異なる認識で、あるいは機構でエンドサイトーシスが行なわれていることが示唆された。 3.パ-ミアライズ細胞を用いてジフテリア毒素のエンドソーム膜通過機構について解析した。数種類のジフテリア毒素変異分子についてエンドソーム膜通過効率を調べた結果、疎水領域に変異があるE349、D352に膜通過効率の著しい低下が認められ、これらの部位が膜通過過程に非常に重要である事が明らかとなった。また、ニッキング酵素欠失細胞を用いた実験から、膜通過に先立って、AフラグメントとBフラグメントの間にニックが入っている必要が示唆された。
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