研究課題/領域番号 |
06248230
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
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研究分担者 |
林 誠 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50212155)
西村 いくこ 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (00241232)
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キーワード | クエン酸合成酵素 / チオラーゼ / 高分子量前駆体 / 移行シグナル / プロセシング / 形質転換植物 / カボチャ / アラビドプシス |
研究概要 |
今年度の研究として、グリオキシゾーム酵素であるクエン酸合成酵素とチオラーゼのcDNAクローニング行った。塩基配列とN末端アミノ酸配列の解析から、両酸素はN末端に延長配列を持つ高分子量前駆体として合成されることが判明した。発芽過程における両酵素の発現を調べたところ、(1)ともに発芽初期にmRNA量の急激な増減が観察されること、(2) 光照射によって転写が抑制され更に蓄積した蛋白質が急速に分解されること、が明らかになった。マイクロボディ酵素に見出されるN末端延長配列はマイクロボディへの移行シグナルとして機能することが予想されている。そこでカボチャクエン酸合成酵素N末端延長配列とβ-glucuronidaseとの融合蛋白質を導入した形質転換シロイヌナズナを数種類作成し、融合蛋白質の細胞内局在性を免疫組織化学的に明らかにした。またウエスタンブロットによって融合蛋白質のプロセッシングを検出した。その結果、(1) N末端延長配列がマイクロボディへの移行に機能していること、(2) 延長配列のプロセッシングはマイクロボディへの移行とは関係ない現象であること、(3) 延長配列のC末端部位はプロセッシングに関与しており、移行には関係しないことが判明した。形質転換植物を用いたN末端延長配列の機能解析はこれが初めての報告であり、プロセッシング反応におけるアミノ酸配列の特異性を明らかにした結果は特に注目される。本年度作成した形質転換植物を用いることによって、マイクロボディの蛋白質輸送系の変動を、組織、器官レベルで、或いは成長過程を追って解析することが可能となった。
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