研究課題/領域番号 |
06260101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉下 守弘 東京大学, 医学部(医), 教授 (10114513)
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研究分担者 |
吉川 宏起 関東労災病院, 放射線科, 部長 (40114714)
塩野 孝博 獨協医科大学, 越谷病院, 講師 (10254947)
岩崎 尚彌 獨協医科大学, 越谷病院, 教授 (50176541)
関本 荘太郎 東京大学, 医学部(医), 助手 (00010059)
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キーワード | functional MRI / 言語性記憶 / 記憶 / 光刺激 |
研究概要 |
我々は、平成2〜4年度の脳の高次情報処理の重点領域研究において左側頭葉前部の内側部の切除が言語性記憶障害を生ずることを明らかにした。この成果をふまえ、functional MRIによる言語性記憶の脳局在を研究することを計画した。 1.予備的実験:我々が用いた機種の性能を確認するため、予備的実験を行った。 (1)SPGR法によるfunctional MRI 方法:GE社のSIERRA(1.5テスラ)を用い、SPGR法によりfunctional MRIを行った。運動賦活課題は、親指の指頭と他の指の指頭を一本ずつ接する単純なタッピングを用いた。視覚賦活課題として、赤色の発光ダイオードの出力を光ファイバーに通し非磁性の光学系より呈示した。 結果:アーチファクトが多く、血管系と脳の実質との弁別が困難であり、本方法を用いるのはかなり困難と思われる。 EPI法によるfunctional MRI 方法:GE社のSigna Advantage SR100(1.5テスラ)を用い、EPI法によりfunctional MRIを行った。視覚賦活課題を行った。 結果:光のONでMRI信号が有意(p<0.01)に高値を示した。本方法は有効な手段であることが確認された。 2.記憶実験 方法:健常人に言語性記憶課題(言語性対連合学習)を負荷し、負荷前後のfunctional MRIをEPI法により行った。 結果:関心領域を側頭葉にとり、functional MRIを試みた。現行の機種では水平断以外のスライス面をとることは困難である。水平断にあいては骨内の空気等によるアーチファクトを拾いやすく、綺麗な像を得ることが困難であった。また、冠状断においては動脈系のアーチファクトを拾い困難が生じている。次年度はこの困難を制御する方法を考案し、記憶課題による賦活課題を施行する予定である。
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