研究課題/領域番号 |
06266216
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
桜井 博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00225848)
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研究分担者 |
鈴木 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
深沢 俊夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90029934)
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キーワード | 酵母 / 基礎転写 / 基本転写因子 / 遺伝子特異性 |
研究概要 |
遺伝子の転写活性は、基本転写因子、転写調節因子、それらの間を仲介するcoactivatorと呼ばれる因子の相互作用により制御されている。更に、遺伝子の基礎転写活性自身も幾つかの転写補助因子により制御されていることが明らかになりつある。本研究では、基礎転写の補助因子として機能する、酵母のGAL11遺伝子の遺伝子特異的な作用機構と、基本因子との相互作用について解析し以下の結果を得た。1.GAL11依存的と非依存的遺伝子の構造を比較し、様々な変異を導入した変異遺伝子の転写調節を解析した結果、GAL11はTATA boxに依存した転写のみを促進し、TATA-less構造の遺伝子には影響を与えないことを明かにした(原稿作製中)。2.無細胞転写系を用いて、GAL11タンパク(Gal11p)はDNA結合型の転写調節因子とは異なる機構により転写を制御することを示した(FEBSLett.351,176-180.1994)。3.Gal11pと相互作用する基本転写因子を免疫沈降実験により検索したところTFIIEが共沈した。更に、TFIIEと結合する領域をin vitro結合実験により調べた結果、その領域は、酵母内におけるGAL11の機能に必須である領域と一致した(原稿作製中)。これらの結果は、Gal11pが基本転写因子TFIIEに結合し、幾つかの遺伝子の基礎転写活性を促進する基礎転写の補助因子として作用することを示している。現在、基礎転写の活性を制御する因子に関する報告は少なく、GAL11は基礎転写補助因子のモデル系となり得る。
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