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1994 年度 実績報告書

HTLV-1のTax蛋白質による転写因子活性化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 06266222
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

藤田 尚志  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (10156870)

研究分担者 平井 玲子  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (00125238)
米山 光俊  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (40260335)
キーワード転写因子 / コアクティベータ- / 白血病 / 癌遺伝子
研究概要

HTLV-1Tax蛋白質の生化学的な解析をめざし、Tax蛋白質の大量精製を試みたが成功しなかった。そどえHTLV-1Tax蛋白質同様コアクティベータ-として転写制御に関与していると考えられているbcl-3遺伝子産物について解析を行った。bcl-3遺伝子産物はDNA結合性のNF-kBファミリー蛋白質p50あるいはp52のホモダイマーと特異的に結合することにより作用していると考えられている。しかしながらbcl-3遺伝子産物がp50のDNA結合を阻害するか否かについては議論がある。これらの点を含めてさらに詳しく解析する目的で生化学的な検討を行った。組換え体p50およびbcl-3遺伝子産物をバキュロウイルスの系を用いて大量生産、精製を行い、これらのDNA結合特異性を検討した。ランダムな塩基配列を一部に有するDNAを合成し、p50単独、あるいはbcl-3遺伝子産物との共存下で結合する配列を選択的に回収した。PCR法によってこのDNA配列の増幅、選択を繰り返し、得られた配列を検討した。その結果p50単独を用いた場合はいわゆるNF-kBのコンセンサス配列に近いものが回収されることがわかった。ところがbcl-3遺伝子産物の共存下ではコンセンサスとは異なる配列を有するものがほとんどであった。このことはp50のDNA結合特異性がbcl-3遺伝子産物との相互作用によって大きく変化することを示している。すなわちプロモーター上のNF-kBのコンセンサス配列だけではなく、今まで知られていなかったシスエレメントを介して遺伝子発現の制御を行っている可能性が強く示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yamamoto H.: "The oncogenic transcription factor IRF-2 possesses a transcriptional repression and a latent activation domain." Oncogene. 9. 1423-1428 (1994)

  • [文献書誌] 藤田尚志: "細胞質から核への転写活性化シグナルの伝達-転写因子の核への移行-" 生化学. 66. 363-367 (1994)

  • [文献書誌] 藤田尚志: "NF-kB" Annual Review細胞生物学1994中外医学社. 1-7 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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