われわれは脊索、神経系形成、運動性ニューロの分化に関与するShhの発現に興味をもち、ツメガエル胚よりhedgehogホモローグXhhを分離し、Xhhの発現を調べた。アクチビンによる中胚葉誘導の過程でのXhhの発現について検討した。脊索は背側中胚葉より分化し、アクチビンはツメガエル胚アニマルキャップを背側中胚葉や脊索へと分化させる能力があることから、マウスShhをプローブとしてツメガエル胚(12ステージ)よりツメガエルのhhホモローグXhhのcDNAを分離した。XhhはマウスShhと83%のホモロジーを有しており、Xhhはステージ10以後のツメガエル胚に発現が認められた。ツメガエル胚8。5-9ステージのアニマルキャップをアクチビン(1-100ng/ml)で処理すると脊索が形成されるが、それにともないXhhが発現することが、InSituハイブリダイゼーションにより明らかとなった。また、この結果はRT-PCRにより確かめられた。Xhhはアクチビン1-100ng/mlの濃度により3-9時間で発現した。しかし、体腔内筋細胞など腹側中胚葉を分化させるbFGF(100ng/ml)ではXhhの発現は誘導されなかった。また、アクチビンによるXhhの発現はシクロヘキシミド存在下で抑制されなかった。このことから、アクチビンによるXhhの発現誘導は蛋白合成を介さないアクチビン受容体からの情報伝達系の下流による直接的な調節によりXhhが発現が制御されているものと考えられる。
|