本研究の目的は、都市および農山村で発生する有機物を収集し、総合的に資源化することにより、地域および地球の環境保全に貢献することにある。 平成6年度は、余剰汚泥が発生しない理由に関する微生物学的な検討をした。高熱細菌の増殖特性、分解特性をさらに検討した。特に高熱細菌の内生呼吸速度を求め、他の細菌と比較した。余剰汚泥が発生しないことは、無機質が蓄積しているのでその定量的な検討を行い、そして無機質の蓄積、微生物の阻害の面から担体の交換頻度を求めた。悪臭物質としては、特にアンモニアが問題になるのでその対策としてゼオライトの応用を検討した。家畜ふん尿の処理ができた場合の水域への負荷量の減少、湖沼の浄化程度をモデルを用いて検討した。 本研究の特色は、有機物を完全分解しその熱で排水中の全水分を蒸発させることにあった。すなわち余剰汚泥と排水が発生しない処理方法である。装置はコンポスト装置と同じなので簡単であり、小規模処理施設に適していると考えられた。高品質コンポストは、有機廃棄物に本質材を加え水分調節と通気性改良を行った後、木炭または/およびゼオライトを加え、土壌改良及び栄養塩の保持を行った。有機物の高品質コンポスト化と同時に、コンポストを利用しない場合の有機物分解を行うことにより、、地域に適した有機物の総合資源化システムを構築することがきでる。このようなシステムを地域ごとに作り、地域の環境保全に貢献した。
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