研究概要 |
本年度は初年度であるので、世界人口が100億人に到達する21世紀中期における世界各国、特に、今後急激に人口増加が予測される発展途上国の人口予測を行なった。予測方法としては2方式を用いて予測を行なった。現状推移方式は各国人口コ-ホ-トを基に、現在の出生・死亡率で推定した場合である。修正指数曲線時系列法はY=K-ab^tの式を用いて将来人口に上限、下限が考えられる場合で、a>0,0<b<1の条件が満たされず、b<1の場合はb=0.99として予測を行なった。(1)世界人口の現状推移方式では、2050年で106.1億人となる。修正指数曲線時系列法では、2050年で96.6億人となり、2050年では96億人から106億人の間の人口予測がなされた。(2)大陸別の結果では、アジア、アフリカの人口増加が高く、2050年では現状推移方式ではそれぞれ世界全人口の59%、19.5%で修正指数曲線時系列法ではそれぞれ59.2%、17.3%となった。2050年の(現状維持方式による人口)/(修正指数曲線時系列法による人口)の人口圧力比を求めると、アジアは1.09でアフリカは1.24であるので、アジアより、アフリカの人口圧力の高さを示している。(3)各国別の人口予測では、中国、インド、パキスタン、インドネシア、バングラデシュ、イラン、ナイジェリア、メキシコ、及びブラジルが高い増加率を示している。(4)大都市人口については、現在解析中で、アジアのジャカルタ、マドラス及びバンコクの予測が終了し、高い増加率を示していることが明らかとなった。(5)コンパクト・シティのシステム設計については、札幌市を事例として、スプロール都市の札幌市をコンパクト都市に設計すると、都心から北大までの間の面積で十分に200万人が生活可能であることが考察された。
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