研究課題/領域番号 |
06271202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松井 博和 北海道大学, 農学部, 助教授 (90109504)
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研究分担者 |
森 春英 北海道大学, 農学部, 助手 (80241363)
伊藤 浩之 北海道大学, 農学部, 助手 (10241366)
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キーワード | 栄養ストレス / X-Nバランス / SPS / PEPC / Branching enzyme / Peroxidase / 遺伝子構造 / 形質転換 |
研究概要 |
低栄養条件下でも期待する収量が得られるよう、栄養素の利用効率を高めた作物を作出する観点から、本研究ではイネ科およびマメ科作物の栄養利用効率の差異を明らかにし、炭素および糖代謝化合物分配系、澱粉合成関連酵素ならびにストレス一般に関わる幾つかの酵素について、生化学・分子生物学的に解析することを目的とし、以下の成果を得た。 1。C-Nバランス酵素系:イネとダイズを標準培養液で水耕栽培し、種々の窒素条件下での呼吸速度を調べたところ、光呼吸および暗呼吸のいずれの速度をダイズの方が高かった。このような条件下における両作物のPEPCおよびSPS活性を測定したところ、窒素量とPEPC活性に相関が認められ、ダイズではいずれの活性もイネのそれら活性より低かったが、PEPC/SPSは高く、ダイズSPSはイネ酵素よりも窒素含有量に敏感には感応していないものと判断された。 2。初期光合成産物の同定:作物に^<14>CO_2を10分間吸収させ、その直後と30分後の葉を採取し、^<14>Cの分配を調べた。その結果、イネでは糖画分に多く分配されるのに対し、ダイズでは有機酸やアミノ酸に多く分配された。 3。澱粉合成時の酵素系:トラマメ登熟種子には少なくとも2種類のBranching Enzymeが存在することを明らかにした。DEAE-SepharoseおよびBio-Gel P-200を用いたクロマトグラフィーにより、その1つをSDS-PAGE的に単一に精製した。 4。ストレス酵素系:peroxidase isozymesの発現誘導機構を明らかにする目的で、その遺伝子断片を単離し、構造を解析した。また、5^1上流プロモーター領域の解析を、レポーターとしてβ-glucuronidase(GUS)遺伝子を用いた形質転換タバコで行った。
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