研究課題/領域番号 |
06271217
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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研究分担者 |
神子 直之 東京大学, 工学部, 助手 (70251345)
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キーワード | 光合成細菌 / 有機性廃水 / 嫌気的質変換 / 菌体利用 / PHA / Rhodobacter sphaeroides / 紅色非硫黄細菌 / 有機酸 |
研究概要 |
高濃度の有機性排水を光合成細菌の一種である紅色非硫黄細菌(Rhodobacter sphaeroides)を用いて処理し、生じた菌体を回収し魚類の飼料や生分解性プラスチックの原料となるPHA(polyhydroxyalkanoate)の抽出源等として利用するというシステムの開発を目的として、本研究は特にガス生成抑制型となる条件を明確にするための基礎実験を行った。成果は以下にまとめられる。 嫌気明条件下でバイアル瓶を用たバッチ実験より、最大比増殖速度は酢酸を炭素源としたときが最大となり、酪酸を用いたときにも同程度の最大比増殖速度を示した。吉草酸やカプロン酸を用いた時は酢酸を用いたときに比べて明らかに低かった。プロピオン酸は単独で用いた時には酢酸や酪酸を用いたときに比べて最大比増殖速度が低かったが、これら三種類の低級脂肪酸を混合して用いたときには酢酸や酪酸を単独で用いたときと大差がなかった。各炭素源で、増殖時の炭素収支を取った結果、酢酸を用いたときは除去された溶存TOCのうち14%が無機化された。他の炭素源をいた時には同化の際に無機炭素源を必要とした。このことによって、収率が1を超えた。吉草酸を炭素源とした際には、NaHCO_3を2.00g/l添加したときに、除去された溶存TOCに対して17%という最大のCO_2取り込みが認められた。オレイン酸ナトリウムを炭素源とした場合、菌体中へのPHAの蓄積が0.324(mgPHA/mg菌体)という結果も得られた。 光合成細菌槽を中心としてプロセスを組み連続処理実験(流入TOC濃度600mg/l、滞留時間10日)も行った。酢酸基質の場合、最大85%のTOC除去率gaられた。基質である酢酸の除去率はほぼ100%であったので、やはり代謝産物と考えられる残存有機炭素がかなりの量存在すると考えられる。
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