研究課題/領域番号 |
06271252
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
齋藤 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (80004901)
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研究分担者 |
横尾 美智代 長崎大学, 医学部, 教務職員 (00336158)
岩田 孝吉 長崎大学, 医学部, 講師 (30203384)
守山 正樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10145229)
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キーワード | 環境汚染 / 重金属インパクト / カドミウム中毒 / 土壌汚染 / 尿細管障害 |
研究概要 |
申請者らは、これまで長崎県対馬厳原町佐須地域で1979年、1982年、1886年に調査を行い、全住民の80%以上を対象に尿中β2-マイクログロブリン、尿中カドミウムおよびその他の生物学的指標を測定してカドミウムの生体影響(健康影響)を20年にわたり追跡してきた。本研究では以下の調査研究を進めた。1)尿中カドミウムおよび尿中β2-マイクログロブリンの測定:尿中Cdの測定には長崎大学医学部共同実験施設の原子吸光分光光度計(日立Z-8000型)を用いたが、灰化装置に新たにテフロンコーティングアルミブロック(20ml試験管用)を購入し、コンタミネーションの機会を減少せることに成功した。さらに、尿中微量金属測定用の標準試料(Standard Reference Material 2670,National Bureau of Standards and Technology,U.S.A.)を同時に分析し、満足すべき測定精度を確保することができた。2)新たなコホート設定:今後10年間さらに追跡調査を行って行くための基盤作りについては長崎大学医学部衛生学教室と厳原町佐須地域住民と合意が成立し、平成7年度に住民尿および頭髪の収集を行うことになった。3)今後の研究の展開について;環境改善の尿細管障害の発生・進展に対する予防効果の評価方法の確率を目指して尿中β2-マイクログロブリンおよび尿中カドミウム排泄量と年齢(汚染地域居住年数)との間の回帰係数が過去と現在とでどのように変化したかを共分散分析を用いて検討する。尿中β2-マイクログロブリン排泄量および尿中カドミウム濃度に対する年齢の回帰係数(直線の傾き)が有意に減少していれば、年齢が同じでも出生年が10年遅いと体内カドミウム蓄積量が減少し、腎障害の程度が軽快してきていると考え得るはずである。
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