研究課題/領域番号 |
06274104
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究分担者 |
北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769)
泰江 弘文 熊本大学, 医学部, 教授 (40174502)
中尾 一和 京都大学, 医学部, 教授 (00172263)
小室 一成 東京大学, 医学部, 助手 (30260483)
鍋島 陽一 国立精神神経センター, 神経研究所, 部長 (60108024)
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キーワード | 心筋特異的な転写因子 / ホメオボックス遺伝子 / 胚幹細胞 / 遺伝子導入 / レニン・アラジオテンシン系 / BNP / サイトカイン / 細胞内シグナル伝達機構 |
研究概要 |
本研究は心筋細胞の負荷適応機能を心筋の発生過程における組織特異的遺伝子発現およびその制御の面から解析することを目的とする。 筋小胞体CaATPaseとその調節蛋白質ホスホランバン遺伝子の発現比が筋小胞体Ca取り込み能を規定することからその分子メカニズムを明らかにするため両蛋白質の相互作用部位を部位特異的変異を導入することにより同定した。 心筋特異的に発現するホメオボックス遺伝子(Csx)のホモログをヒト心筋より単離しヒト染色体上の位置を決定した。ヒトCsxは3つのスプライシングフォームが存在し、心臓にのみ発現していた。またその遺伝子はヒト染色体上5q34に存在していた。 心筋の発生と機能を解析するため、CreリコンビネースがloxP配列を認識する事を利用して同方向、同位置に遺伝子を導入あるいはコンディショナルに遺伝子をノックアウトする技術を開発している。まずloxP配列を持つES細胞を樹立した。 ハムスターBNPcDNAの構造を決定し、心筋症ハムスターのおける発現を検討したところ肥大型のBIO14.6では3倍に、拡張型のBIO53.58では4倍の亢進がみられた。RIAを用いて血中BNP濃度は両者とも7倍以上に上昇しヒト心疾患と同様の変化を示し、心筋症ハムスターがヒト心疾患BNPの病態生理学的意義の検討に有用なモデルとなりうることが明らかになった。 心筋においてレニン-アンギオテンシン系は大きな役割を果たしている。今回今まで報告されているアンギオテンシン変換酵素とは異なる酵素を精製した。さらにレニンの発現については健常心では心室内にその発現を検出できなかったがDCM、OMI心筋ではレニンmRNAの存在をとらえることができた。 低酸素刺激において心筋細胞でIL-6の発現が亢進する事を明らかにした。さらにこの遺伝子をルシフェラーゼ遺伝子上流に組み込みその遺伝子発現メカニズムを検討したところ、NF-kBおよびNF-IL6結合領域が重要な働きをしていることが示唆された。
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