研究概要 |
血管内肥厚は血管狭窄を惹起し、大きな動脈で生じると動脈硬化であり、心臓運動で生じると心筋梗塞の原因となる。この時肥厚部では未分化平滑筋の増殖が生じており、多くは内膜部に生じている。 我々はすでに74KDのゲルゾリンファミリー蛋白質のcDNAクローニングに成功し、この情報をもとに抗体の作製にのり出していた。一方すでに我々はこの蛋白が正常の血管平滑筋には存在しないことを確めていた(Neurosci.38,743〜756 1990)。ところが培養平滑筋初代培養細胞では時期を追ってこの蛋白が発現してくることに気付いた。さらに、螢光抗体法で観察すると、円い形をした異常細胞に発現しており、この細胞はHill & Valley形成時Hillの頂上に多く存在していた。一方、動脈硬化形成時に動脈内膜に多数発現し、この蛋白が血管異常のマ-カとなることが判った。
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