研究課題/領域番号 |
06274230
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
松本 健一 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (30202328)
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研究分担者 |
白吉 安昭 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助手 (90249946)
中辻 憲夫 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 教授 (80237312)
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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キーワード | 細胞外マトリックス / テネイシン / テネイシンX / ジーン・タ-デティング / 心筋 / テネイシン・ファミリー / 主要組織適合性抗原遺伝子群 |
研究概要 |
我々は主要組織適合性抗原遺伝子群(MHC)のクラスIII領域の構造解析を行っている際に、細胞外マトリックスタンパク質・テネイシン(テネイシンC:TN-C)と構造上の類似性の高いタンパク質(テネイシンX:TN-X)の遺伝子を見いだした。このTN-Xの心筋の発生・分化における役割を明かにすることを目的に、相同遺伝子組換えを利用した遺伝子の機能破壊(ジーン・ターゲティング)によりTN-X欠損マウスを構築することを行なっている。現在までに以下のことを完了した。 1.ES細胞由来のゲノミック・ライブラリーより、既に得ているTN-XのcDNAをプロープとして、TN-X遺伝子の5'プロモタ-領域及び5'コーディング領域の約30kbのクローニングを行なった。次にNeo遺伝子(ポジティブ・セレクション用)とDT-A遺伝子(ネガティブ・セクション用)を用い、相同領域の異なった3種類のターゲティング・ペクターの構築を行なった。 2.エレクトロポレーション法によりES細胞にターゲティングペクターの導入を行ない、サザーン・ハイブリダイゼーション法により、約250個のG418耐性細胞のうち、相同組換えを起こした1種類のES細胞を得た。次にこの相同組換えの起こったES細胞を用い、桑実胚とのサンドイッチによる凝集法により、キメラマウスの作成を行ない、今までのところ10ピキのキメラマウスを得ることができた。 現在、得られたキメラマウスと選別用マーカーをもつマウスとの交配中であり、germline transmissionが起こりヘテロ接合体が得られ次第、ヘテロ接合体同士の交配によりホモ接合体を得る予定である。このホモマウスについて、発生の各段階の組織の形態異常を組織化学的に詳細に調べ、特に心筋に関しては、プライマリ-・カルチャーをおこない、細胞の形態及び接着能力の変化を解析することを計画している。
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