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1997 年度 実績報告書

細胞質分裂の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 06275102
研究機関東京大学

研究代表者

馬渕 一誠  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40012520)

研究分担者 沼田 治  筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50189354)
浜口 幸久  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (70016161)
酒井 彦一  日本女子大学, 理学部, 教授 (80011477)
渡辺 良雄  上武大学, 学長 (00015918)
丸山 工作  千葉大学, 学長 (60012267)
キーワード細胞質分裂 / 分裂溝 / 収縮環 / アクチン繊維 / 低分子量Gタンパク質 / アクチン調節タンパク質 / ミオシン / セプチン
研究概要

収縮環形成のシグナル伝達系因子の候補、低分子量Gタンパク質Rhoに関して、分裂酵母Rho2-4がRho1と同様に隔壁部に局在すること、Rho1とRho2は似た機能を持っているが重複はしていないことを見た。出芽酵母の出芽を制御するRHO3の欠損を多コピーで抑圧するSRO7がミオシン(Myo1,Myo2)と相互作用することを見い出した。RHO1の標的タンパク質であるBNI1はプロフィリン、EF1α、SPA2と結合することを示した。これらのタンパク質を介してアクチンに作用する可能性がある。哺乳類のRhoAの標的タンパク質としてp140mDia、p160ROCK、citronkinaseを見い出した。p140mDiaはプロフィリンを結合し、分裂溝に局在する。citronkinaseも分裂溝に局在し細胞質分裂に働いていることが知られた。分裂酵母の収縮環がアクチン繊維でできており、トロポミオシンを含むことを免疫電顕で確認した。分裂酵母から新しいミオシン重鎖の遺伝子myo3^+をクローニングし、Myo3がMyo2と協同的に収縮環の形成に働くことを示した。細胞性粘菌の分裂変異遺伝子を同定したところIQGAPにホモロジーのあるタンパク質だった(GAPA)。GAPAと同じファミリーのRasGAPの遺伝子を同時に破壊すると、細胞質分裂に強い影響が出たのでこれらのタンパク質が細胞質分裂に働いていることが分かった。ウニ卵の分裂溝に濃縮される新規のF-アクチン結合タンパク質として見い出したp60とp150がそれぞれミオシンVIとコロニンであることを明かにした。マウスのセプチンNedd5が分裂溝に局在し、その抗体のマイクロインジェクションが細胞質分裂を阻止することを見た。またNedd5の繊維形成にはそのGTPase活性が必要であることが分かった。カエル卵の分裂に必須なアクチン調節タンパク質XACに結合するタンパク質の一つAIP1と同定し、これがXACと協調してアクチンを脱重合することを見い出した。これらの結果を総括するため、海外、国内の専門家を招聘して2日間の国際会議を行った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Hirata,D., et al.: "Gene that causes aberrant cell morphology by overexpression in fission yeast:a role of a small GTP-binding protein Rho2." J.Cell Science. 111. 149-159 (1998)

  • [文献書誌] Motegi,F., et al.: "Identification of Myo3,a second type-II myosin heavy chain in fission yeast Schizosaccharyomyces pombe." FEBS Letters. 420. 161-166 (1997)

  • [文献書誌] Nakano,K.et al.: "The small GTP-binding protein Rho1 is a multifunctional protein that is involved in the regulation of actin localization,..." Genes to Cells. 2. 679-694 (1997)

  • [文献書誌] Fujimoto,H. & Mabuchi,I.: "Isolation of cleavage furrows from regular sea urchin eggs and identification of furrow-specific proteins." J.Biochemistry. 122. 518-524 (1997)

  • [文献書誌] Terasaki,A., et al.: "Identification of novel F-actin-binding proteins by F-actin affinity column chromatography from sea urchin eggs." J.Biochemistry. 122. 226-236 (1997)

  • [文献書誌] Komatsu,S., et al.: "Involvement of p34cdc2 kinase from sea urchin Hemicentrotus pulcherrimus in the phosphorylation of myosin II regulatory.." Gene. 198. 359-365 (1997)

  • [文献書誌] 馬渕一誠(編): "細胞生物学の基礎技術" 羊土社, 284 (1997)

  • [文献書誌] 馬渕一誠: "生物学のすすめ" 筑摩書房, 205 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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