研究分担者 |
白川 昌宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス科, 助教授 (00202119)
嶋田 一夫 東京大学, 薬学部, 教授 (70196476)
藤原 敏道 横浜国立大学, 工学部, 講師 (20242381)
小野 晶 東京都立大学, 理学部, 助教授 (10183253)
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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研究概要 |
藤原は,^<13>Cや^<15>Nで一様に標識した固体核酸(アデノシン)に多次元固体化学シフト相関NMRを適用することで、^<13>C,^<15>N-NMRシグナルの完全な同定が出来た。^<13>Cで一様に標識したアミノ酸アラニンに新しく開発した異方的相互作用相関NMRで二面角情報を得られることがわかった。白川は,大腸菌RNAポリメラーゼ_αサブユニットC末端ドメインの溶液中の立体構造を決定し、DNAと相互作用する部位の同定を行った。また、大腸菌のシグナル伝達因子であるArcBのHisキナーゼドメインの多くの核シグナルの帰属を終了した。加えて、カイコ転写因子FTZ-F1の転写活性化のメディエーター蛋白質であるMBF1のFTZ-F1,TBP結合ドメインのマッピングを行った。嶋田は,核磁気共鳴法によるタンパク-タンパク質相互作用様式の解析を行う。本年度は,抗体定常領域フラグメントFc(分子量50K)と可溶性Fcレセプター(分子量25K)に焦点をあて,13Cおよび15N安定同位体標識したFcを用いて,可溶性Fcレセプター結合領域を同定を行なった。また,Fcレセプターの安定同位体標識法の確立を検討している。小野は,標識グルコース,酢酸,尿素などを出発原料とする安定同位体標識DNAオリゴマーの合成法を確立した。また,標識RNAオリゴマーの合成に着手し,安定なヘア-ピン構造を形成する塩基配列を持つRNAデカマ-を合成した。一方,DNA修復酵素Adaの精製法を検討し,NMR構造解析に用いる目処を付けた。Ada蛋白質-標識DNA複合体のNMR解析に着手した。相本は,チオエステル法を発展させ,システイン含有蛋白質であっても簡便に合成できる方法を開発し,アドレノメジュリンならびにc-Myb蛋白質のDNA結合ドメインの合成に成功した。月原は,ウシ心筋チトクロム酸化酵素の構造を2.8Å分解能で決定した。2つのヘム、CuA部位、CuB部位及びZn部位を確定した。13種のサブユニットをすべて構造決定することもできた。この結晶構造解析では分子量40万の2量体の構造を決定したことになり、最も大きな分子の構造決定の一つである。また電子伝達の経路も見つかった。中村は,NMRによる蛋白質とDNAとの複合体構造を決定する際に、広いサンプリング空間を探索しつつ、実験データを満たす複合体の立体構造を高い効率で生成する手法を開発し、その手法の有効性を詳細に調べ、実際の応用も行った。
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