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1996 年度 実績報告書

蛋白質高次構造の蛋白質シグナル認識における役割

研究課題

研究課題/領域番号 06276105
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

稲垣 冬彦  財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (70011757)

研究分担者 伊倉 光彦  筑波大学, 先端学際領域センター, 教授 (00142688)
水野 猛  名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
大野 茂男  横浜市立大学, 医学部, 教授 (10142027)
山本 雅  東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
竹縄 忠臣  東京大学, 医科学研究所, 教授 (40101315)
キーワードGRB2 / SH2 / Shc / N-WASP / 神経突起伸長 / NMR / ArcB / Tob
研究概要

1.Grb2のSH2とShcのリン酸化チロシンを含むペプチドとの結合様式を調べた。src等とは異なり、SH2上でターン構造を取ることを明らかにした。
2.インタクトGrb2のNMR解析を行い帰属を終了した。シグナルは各ドメインの重ね合せからなり、インタクトなGrb2においても、ドメインは独立であることを示した。さらにX線小角散乱の実験を行ったところ、X線結晶構造解析で明らかにされたコンパクトな構造ではなく、分子全体が開いた構造を取ることが明らかとなった。この様に、シグナル伝達に含まれるモジュールは独立な構造体としてはたらくことが示された。Grb2の様に多くの標的蛋白質を持つ場合には、フレキシブルな構造は相互認識に遊離にはたらくものと考えられる。
3.Grb2結合蛋白質として、新たにN-WASPを同定した。N-WASPを共発現すると、マイクロスパイクの伸長等細胞骨格系の変化雅観測される。即ち、細胞分化のシグナル伝達を担っている蛋白質と考えられる。N-WASPは多機能ドメイン蛋白質であり、PHドメイン、CDC42結合ドメイン、cofilinドメインを持つ。細胞骨格とシグナル伝達を仲介する興味深い蛋白質である。
4.EGFレセプターに結合する新規蛋白質Tobを同定した。Tobは細胞周期を負に制御する蛋白質であり、サイクリン-CDKの阻害効果をもっている。現在Tobの大量調製系が作製されており、構造解析に着手する。
5.原核細胞のシグナル伝達系である、Two-componentシステムのうち、Arc Bの立体構造をX線結晶構造解析により明らかにした。既に報告されているChe Yの構造に基づいて、HisからAspへのリン酸基転移の機構を考察した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ogura,K.: "An improved double-tuned and isotope-filtered pulse scheme based on a pulsed field gradient and a wide-band inversion shaped pulse." J.Biomolecular NMR. 8. 492-498 (1997)

  • [文献書誌] Kohda,D.: "Solution Structure of the Link Module:A Hyaluronan-Binding Domain Involved in Extracellular Matrix Stability and Cell Migration." Cell. 86. 767-775 (1996)

  • [文献書誌] Hatanaka,H.: "Tertiary Structure of Destrin and Structural Similarity between Two Actin-Regulating Protein Families." Cell. 85. 1047-1055 (1996)

  • [文献書誌] Ogura,K.: "^<13>C Fully Refocused Multidimensional ^<13>C-Edited Pulse Schemes Using Broadband Shaped Inversion and Refocusing Pulses." J.Magn.Reson.B112. 63-68 (1996)

  • [文献書誌] Miki,H.: "A novel actin-depolymerizing protein N-WASP regulates the cortical cytoskeletal rearrangement in a PIP2 dependent manner at the downstream of tyrosine kinase." EMBO J.15. 5326-5335 (1996)

  • [文献書誌] Ishida,T.: "TRAF5,a novel tumor necrosis factor receptor-associated factor family protein,mediates CD40 signaling." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.93. 9437-9442 (1996)

  • [文献書誌] Fujimoto,J: "Characterization of the transforming activity of p80,a hyperphosphorylated protein in a Ki-1 lymphoma cell line with t(2;5)." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.93. 4181-4186 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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