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1994 年度 実績報告書

転写因子ISGF3γのサブユニット会合による構造変化と活性制御

研究課題

研究課題/領域番号 06276224
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

藤田 尚志  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (10156870)

研究分担者 佐藤 真友美  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (50124459)
米山 光俊  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (40260335)
キーワード転写因子 / サブユニット会合 / 構造解析 / インターフェロン
研究概要

インターフェロン(IFN)α/βは、ウイルス感染などの刺激によって発現、分泌されるサイトカインであり、IFN受容体を介したシグナル伝達により、抗ウイルス作用や増殖抑制などの多様な生理的効果を細胞へ与えることが知られている。本年度の解析により我々は、IFN誘導遺伝子群の転写制御に関与すると考えられていた転写因子複合体Interferon-stimulated-gene factor3(ISGF3)と同一か、極めて性質の良く似た因子が、IFNα/β遺伝子のプロモーター領域に結合し、さらに実際に転写活性因子として機能していることを初めて明らかにした。この発見は生体防御という重要な役割を担うIFNシステムにおいて、IFNの生産(IFN遺伝子群の活性化)、IFNの作用(IFN誘導遺伝子群の活性化)の両者に共通にISGF3が中心的な役割を果たしている事を意味している。実際、我々の解析の結果、ISGF3のDNA結合サブユニットであるISGF3γのDNA結合領域を欠失させた変異体は細胞内でドミナントネガティブに機能し、制御サブユニットであるISGF3αと優位に複合合体を形成することにより、活性型のISGF3の精製を強く抑制することが明らかとなった。その結果、IFNの生産およびIFNによる抗ウイルス状態の成立が強く阻害された。
以上の現象の分子的基礎は蛋白質同士の特異的な相互作用であり、ISGF3γと制御サブユニットとの結合ドメインの立体構造に起因していると考えられたので、その立体構造の解明を目指して研究を進めた。まず、我々の開発した、ドミナントネガティブな活性を指標とする方法を用いて生理的条件下でのISGF3γ側の必要最小限の部分の決定した。現在までに大腸菌を用いた大量発現系の基礎が確立でき、抽出法、精製法の検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yamamoto H.: "The oncogenic transcription factor IRF-2 possesses a transcriptional repression and a latent activation domain." Oncogene. 9. 1423-1428 (1994)

  • [文献書誌] 藤田尚志: "細胞質から核への転写活性化シグナルの伝達-転写因子の核への移行-" 生化学. 66. 363-367 (1994)

  • [文献書誌] 藤田尚志: "NF-kB" Annual Review細胞生物学1994 中外医学社. 1-7 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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